群馬県万座温泉のある旅館の夕食の量に関し、オンラインサロン「田端大学」の公式メディア『BIG WAVE』編集長のよりかねけいいち氏が、Twitterに「多すぎて到底食べきれない」「シニア層がメインターゲットのはずなので、つまり廃棄前提」などと投稿し、物議を醸している。
加えて、「田端大学」の代表・田端信太郎氏が突如議論に参加し、騒動が拡大しつつある。田端氏当人は「最近のTwitterは、みんな、心に余裕がなくていけません。Twitterなんて、大喜利ですよ! RTやファボはザブトンです」(原文ママ、以下同)と、この炎上騒動を満喫しているようだが、一方、心中穏やかではない人々がいるようだ。自民党と電通の関係者だ。
よりかね氏が10日に前出のように投稿したことに対し、批判的な意見が殺到し騒動が発生した。ここで収束していればよかったのだが、“ビッグウェーブ”に乗るように、田端氏が「田端大学で請け負った万座温泉の炎上マーケティングだよ」「このご時世にあの温泉旅館、半年先までいっぱいになったらしいですよwww」などと投稿。これに対し、万座温泉観光協会は14日、公式ホームページで声明を公開し「SNSで取り沙汰されている件につきまして、当協会では宣伝目的の依頼などは一切しておりません」と全面否定するなど炎上は拡大中だ。そんな一連の投稿のなかでも、次の文章が一部の人間の逆鱗に触れたようだ。
「官邸から電通経由でステマ炎上マーケティング費用を10億円ほど #田端大学 で受注してるからね。官房機密費だから現金とっぱらいです」
官邸から電通経由でステマ炎上マーケティング費用を10億円ほど #田端大学 で受注してるからね。
— 田端信太郎@Carstay CMO就任!#VANLIFE シーンを盛り上げる! (@tabbata) August 13, 2020
官房機密費だから現金とっぱらいです。 https://t.co/WMRxHDtlZl
「笑えん」「けしからん」電通、政府関係者は立腹
この投稿に関して、自民党関係者は次のように声を潜める。
「『けしからん! なんだあれは』と首相官邸と経済産業省の一部が不快感を示しているようです。政局が近づいている現在、GoToトラベルキャンペーンは、非常にセンシティブな案件になりつつあり、ネット上の情報はすべからく官邸に上げられています。田端さんのキャラクターを知っている人間なら、そこまで目くじらを立てることもないのかもしれませんが、上層部は『ZOZOの広報・ブランディング担当執行役員だった人物が政府に対して、明確な虚偽の風説を流している』と受け取っているようです。
官邸には、電通などから手ほどきを受けた広報担当がいるので、『ここで下手な反論をすれば、野党やマスコミからまた“言論弾圧だ”と叩かれる』とアドバイスをしていると思います。社会的な立場のある人間の発言として少々、軽率だったのではないかと思います」
また、電通関係者は話す。
「今、このタイミングで電通の名前を出すとは……。幹部の中には『ジョークにしても笑えんな』と怒っている人がいるようです。田端さんはリクルートでR25を立ち上げてから、いろいろと弊社とかかわりがあります。知人がたくさんいるからこその発言だとは思いますが、ちょっと無礼講が過ぎたかもしれませんね。
確かに、広告は“刺さる”コピーや企画を世に打ち出しさえすれば良いという業界ではあります。どんな表現だって自由ですが、今回の投稿は単純にギャグとしてもサムイですよね。PRとマーケティングのプロとしてどうなんでしょう。オンラインサロンの受講生だけにウケてもしょうがないですよね」
“釣り発言”や“妄想ツイート”は、ネットでの会話の潤滑油になる一方、災害時や選挙期間中には“公益を損ねる悪質なデマ”になってしまうこともあり得る。いずれにせよ、今回の騒動の最大の要因は、田端氏やよりかね氏の発言がそのものが“面白くなかった”ことに集約されるのかもしれない。