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菅首相・北尾SBI社長“最強コンビ”、銀行再編を強行…独禁法適用「除外」の特例措置

文=編集部
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首相官邸のHPより

 菅義偉内閣が地方銀行への再編圧力を強めている。人口減少と金利低下で地銀の収益が悪化するなか、再編をテコに地銀の経営体力をアップし、地域経済を活性化するという一石二鳥、いや一石三鳥の狙いがある。

 金融業界は人事の話が大好きである。

「菅氏と親密な金融庁の森信親・元長官が内閣官房参与として政権に入るのではないか」(首都圏の有力地銀の頭取)

 この話を有力地銀はかなり嫌がっていた。金融庁長官当時、「最強長官」と呼ばれた森氏は、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と十八銀行の統合をめぐり公正取引委員会と対立した。ふくおかFG傘下の親和銀行と十八銀が合併すれば、長崎県内の預金シェアが7割を超えて独占禁止法に抵触するとして、公取委は統合を認めなかった。

「なんとかしてほしい」と森氏は官房長官(当時)の菅氏のもとに駆け込んだ。「政府全体で議論する必要がある」と菅氏は引き取った。菅氏から問題解決を任されたのが古谷一之氏。国税庁長官や内閣官房副長官補を歴任後、9月16日、公正取引委員会の委員長に任命された。「森、古谷のご両人が地銀再編のキーマンとして急浮上してきた」(別の地銀頭取)というのだ。

 菅官房長官時代に合併特例法が誕生し、「地銀同士の統合・合併を独占禁止法の適用除外とする。合併後のシェアが7割以上になる再編もルール上認める」ことになった。合併特例法のモデルケースとなった長崎県の十八銀行と親和銀は10月1日に合併し、十八親和銀行として新たなスタートを切った。初代頭取には十八銀の森拓二郎頭取が就いた。

 合併特例法は11月27日に施行される。十八銀と親和銀の合併のためだけなら、独禁法の特例規定で済む話。わざわざ10年間の時限立法としたのは、この間に地銀再編をやり切るという意思表示だ。金融庁長官の氷見野良三氏は森氏に可愛がられた人物。今後、金融庁との軋轢は考えなくてもいい、とされる。

SBI・北尾社長の影

「地方の銀行は多すぎる。再編も一つの選択肢になる」

 菅氏は自民党総裁選の9月2日の出馬会見で、こう述べ、翌3日には「個々の銀行の経営判断の話になるが、再編も一つの選択肢」とさらに踏み込み、金融界を驚かせた。

「この発言には、森元金融庁長官、あるいはSBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長CEOの影が見え隠れする」(有力金融筋)

 インターネット証券を傘下に置き、「広域地銀連合」構想を温める北尾氏が地銀再編とどうからんでくるのかに関心が集まる。北尾氏と菅首相は親密な存在として知られている。昨年7月、参院選期間中に開かれたSBIグループ創業20周年の記念式典の会場に当時官房長官だった菅氏が姿を見せ、周囲を驚かせた。

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