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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(5)

ANA、CAのパジャマ紹介する新事業で炎上…マスコミがANA批判報道を避ける本質的原因

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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ANAのボーイング737-700(「Wikipedia」より)

 ANA(全日本空輸)への批判的報道はコロナ禍より前にも後にもほぼ皆無といってよい。多額の広告宣伝費に加え、マスコミに対する空港での取材協⼒などによる懐柔が効果を発揮している。さらに、この連載で指摘してきたように、日本の航空業界はオトコ社会であり、記者クラブメディアに代表される国内メディアもまったく同様の業界体質であることが本質的な問題として横たわっている。

ネット反応に記事削除の圧力

 ANAのメディアに対する影響力は、今年1月、同社が昨年末に始めたオンラインツアーに関連する記事がネット公開された直後に軒並み削除されたことで話題となった。以下、スポーツニッポンが1月30日付で配信した記事を全文公開する(現在は削除済み)。

<ANA起死回生、オンライントラベルにCA投入大作戦!素顔やパジャマも見られる!

 新型コロナウイルス感染拡大で航空需要が大きく落ち込み、厳しい経営が続くANAホールディングスが、客室乗務員(CA)をバーチャル旅行の業務に投入している。CAにとっては乗務機会が大きく減った機上から机上へ斬新な“配置転換”となる。

 昨年12月発売の「ANA国内線・国際線オンライン巡礼旅」(税込み3980円)で、CAらがウェブ会議システム「Zoom」を通じて、世界各地のおすすめスポットやレストランを座談会形式で紹介する。利用客は約1時間半、自宅にいながら旅行気分を味わうことができ、今月22日に行われた第4回「ハワイ行き」も、募集の限定30人の枠が完売した。

 同社は2021年3月期の連結純損益が、創業以来最悪となる5100億円の赤字となる見通し。そんな中、非航空事業の収益化を目指しており、オンライントラベルは目玉の一つと位置づけている。利用客にとって注目すべきは、普段深く接することのないCAのプライベートな部分まで踏み込める点。利用客との質疑応答もあり、CAの私物紹介コーナーでは、フライト先で滞在中に着用するパジャマやワンピースを見ることもできる。バーチャルトラベルのリアルさを追求するよりも「CAらとのコミュニケーションを通じ、コロナ禍で旅行に行きたくても行けない人に少しでも楽しんでもらう」(広報担当者)ということが狙いで、グループのリソースを最大限活用する格好だ。

 1度の配信にCA4人を含むスタッフ約15人が携わるため、担当者によると収支は「五分五分」。今後、座談会形式以外のトラベルも検討しているが「視聴してくれる一人一人のお客さまと向き合いたいので、座談会の募集人数はこのくらい(約30人)で続ける」という。経営難にあっても「いつもお客さまに寄り添う」という同社の理念は崩さない。

 見据える先はポストコロナ。日本を代表する航空会社「ナショナルフラッグキャリア」の看板を背負うANAは苦境にあっても「おもてなしの心」を忘れない>

 この記事が公開されると、たちまち「ANAがオンラインでCAを利用したクラブを始めた」などのコメントがあふれ炎上状態になった。その直後、この記事はスポーツニッポンや記事配信先サイトからも削除された。このオンラインツアーをネタ的に扱った他社の記事も軒並み削除されたという。

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