レジ袋有料化、逆にビニール袋消費量&プラごみ増えてる?企業にも消費者にもメリットなしの画像1
「Getty images」より

 今年の3月上旬、デパ地下で勤務しているという人物のあるSNS投稿が注目を集めた。その内容は、レジ袋を有料化した代わりに、エコバッグの汁漏れ防止のため持ち手のないビニール袋を使う枚数が激増してしまっている……というものだ。

 昨年7月1日にスタートしたプラスチック製レジ袋有料化は、日本国民のライフスタイルの変化を否応なしに促した。しかし、それによって小売の現場では混乱が起こり、この投稿のように有料化の対象外であるビニール袋の消費量が増加するといった問題が発生しているようだ。

 投稿者は商品の汁漏れや弁当の中身こぼれを防ぐために、包装にも手間がかかるようになったとも続けている。さらに、この投稿に同調したコンビニやスーパー、ドラッグストアで勤務しているという人々からも、似たような対応を行っているという声が相次ぐこととなった。

 スタートからまだ1年も経っていないレジ袋有料化だが、対象外となっている袋の消費量が増加しているという本末転倒な事態が起きている現状、はたして本当に効果は出ているのだろうか。サステナビリティ・コンサルタントとして企業支援を行っている安藤光展氏に話を聞いた。

啓蒙・啓発の効果は大きいもののごみ削減については望み薄

 そもそもレジ袋有料化の義務は、2019年12月27日に改正された容器包装リサイクル法の関係省令で定められたもので、その目的は国民の環境問題やエコへの意識を高めることにある。つまり、最初からプラスチック製品の消費量削減というよりは、啓蒙・啓発に重点が置かれているのだが、啓蒙・啓発においては予想を超える成果が上がっているのだという。

「環境省が2020年に実施したレジ袋使用状況に関するウェブ調査結果によれば、1週間以内に店舗でレジ袋をもらわなかった、あるいは購入しなかった人の割合は3月が30.4%だったのに対し、11月が71.9%と倍以上に増えています。環境省としてはキャンペーンを通じてレジ袋を1週間使わなかった人の割合を60%以上にすることを目標としていたので、それ以上の成果が出たというわけですね。

 プラスチックごみ問題への関心が高まって行動や意識に変化があったと答えた人も29.5%と3割近くを占めていて、ここまで行動変容があったのは驚くべき結果です。

 環境省のこういったキャンペーンは今まで何度も行われていたのですが、目立った成果が出たのは2005年から始まったクールビズくらいでした。社会的に影響が出ているという意味では、現時点でも過去のキャンペーンと比べて充分に成果が出ているといえます」(安藤氏)