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プラスチック製スプーン等も有料化、テイクアウトに励む飲食店が悲鳴…小泉環境相が主導か

文=編集部
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小泉進次郎公式サイトより

 レジ袋に続き、今度はプラスチックスプーンやフォークが有料化されそうだ。政府は9日、新法案「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定した。同法案では小売店や飲食店で無料配布されている使い捨てプラスチック製品(弁当などにつけられているスプーンやフォーク、ホテルのアメニティーなど)の削減を義務付けることが盛り込まれていたため、小売業や飲食関係者を中心に不安が広がっている。

小泉進次郎氏「これからは無料でスプーンが出てこなくなる」

「SankeiBiz」(産経新聞社)が9日に公開した記事『プラごみ削減、一括回収でリサイクル強化 新法案決定』によると、施行は4月4日を予定。「飲食店や小売店での使い捨てプラスチック製品の削減義務付けは、有料化や代替素材への切り替え、使用するかどうかを客に確認するなど、何らかの取り組みを求める。怠った事業者には改善を勧告・命令し、従わない場合は50万円以下の罰金を科す」のだという。

 また、同日の「テレ朝news」(テレビ朝日)の記事『プラスチック新法案まとまる スプーン有料化も検討』で、小泉進次郎環境相は「これからは無料でスプーンが出てこなくなる。レジ袋有料化の発展版だ」と豪語していた。この発言に、インターネット上では「そもそも日本で発生する年900万トンの廃プラスチックのうち数%に過ぎないレジ袋を有料化したことで、なにか効果はあったのか」「レジ袋有料化に伴う廃プラ排出量の削減データや経済効果の実績をまず示すべきだ」などと指摘が相次いでいる。

「コロナ禍でテイクアウトに集中している時期にやらなくても」

 実際、小売業や飲食店は今回の法案をどう見ているのか。東京都目黒区の飲食店経営者は次のように絶句する。

「なんでこのタイミングで……。新型コロナウイルス感染症の影響で、始めたテイクアウト販売がやっと軌道に乗ってきたところです。今は営業自粛の影響で、夜の営業ができず、スタッフの人数を極力減らして昼食時間帯になるべく多く売り切ろうと努力しています。現場に負担をかけるような会計の複雑化はあまり歓迎できません。使い捨てスプーンやフォークなどは1本あたり3.5~5円くらいです。レジ袋込みで今後は8円くらい別にお客様から頂くことになります。もちろん別にお代をいただく分、弁当の本体価格を下げる努力をしますが、『別にお金を取る』ということに悪印象を感じるお客様は多いと思います。

 これまでもレジ袋代を払っていただくことで不機嫌になるお客様も多かったです。私どもも含めて、コロナ禍で誰もが厳しい生活を送っています。レジ袋やプラスチックスプーン代をいただくことで、お客様の不興を買いたくないというのが正直なところです」

 千葉県内の大手コンビニエンスストアのフランチャイズ店経営者も次のように懐疑的だ。

「プラスチックフォークとか割りばし、おしぼりは加盟店のオーナーの負担でした。別途有料化すれば、いくらかはそうした負担も軽減されるかもしれません。ただ、だからといってフォークやスプーンをまったく用意しないわけにはいかないでしょう。それらのコストは多少軽減されても、ゼロになることはないと思いますよ。いずれにせよレジ袋やフォークやスプーンの代金をいただくことで、弁当自体が売れなくなるような事態は避けたいところです」

 今回の新法案について、自民党関係者は次のように語る。

「コロナ禍では、良い意味でも悪い意味でも注目を集めている加藤勝信官房長官らの閣僚に比べると、小泉さんは埋没していますよね。菅義偉首相との関係は良好だけれど、なにも成果が出せないというのはまずいという気持ちがあるのではないでしょうか。小泉さんの主導のようですし、とにかく『空気は読まない』方ですからね」

(文=編集部)

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