小泉進次郎、“わざわざ育休取得宣言”に総スカン…「大臣就任断るべき」「歳費減額すべき」
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
小泉進次郎環境大臣が第1子誕生に伴い閣僚初の育児休業を取得したことが、インターネット上では大炎上しているようです。みなさんはどのように思いましたか?
何かと注目される小泉大臣ですが、「永田町のお姉さまたち」の間では「奥さまの妊娠はわかっていたことだったのだから、昨年の内閣改造の際に大臣就任を断るべきだった」という意見が大勢を占めています。小泉大臣は公務を優先しながら育休を取得するそうですから、神澤もこの意見を支持します。
ただ、これまでもたくさんの国会議員が時間をやりくりしながら育児をしてきました。国会議員はいわば自営業ですから、自分の判断である程度はスケジュールの調整が可能なのです。ただ、公務でどうしても無理なときもあるため、ベビーシッターを雇ったり、時には秘書に頼んだりすることもあります。
「自分ばっかりええかっこしないで」
小泉大臣の育休取得については、兵庫県の井戸敏三知事などが評価し、東国原英夫元宮崎県知事は「歳費の減額とセットでないと」と注文をつけています。 神澤も大臣が育児を優先してもいいとは思いますが、わざわざ公に宣言する必要はないのではないでしょうか。
たとえば、大臣の出席が必須の会議でない場合は、海外派遣は副大臣にお任せするのもいいでしょう。副大臣も内閣の一員なのですから、まったく問題がないと思います。それを、大げさに「育児します」と発表するから炎上したのではないでしょうか。「ただの目立ちたがり」「世間から非難されている過去の不倫問題疑惑から逃れるため」などと言われても仕方ないですよね。
そもそも、重責を担っている大臣が休めば、その分の仕事をほかの方がしなくてはならなくなるので、周囲に負担をかけてしまいます。そのため、小泉大臣は「宣言」よりも、協力してもらえるよう周囲に根回しをしておくべきでした。人間関係を円滑に進め、プロジェクトを推し進める上で、根回しはとても重要です。
少し前まで「ポスト安倍」ともてはやされていたのに、一転して「未熟者」などと評価されてしまうのは残念ですよね。いろいろと理由はあるのでしょうが、根回しができないという事情は大きいと思います。
国会議員には育休の規定がありませんが、それは秘書も同じです。実際には、制度がなくても国会議員も大臣も育児を優先することは可能です。しかし、秘書はそれすら許されないのが現実です。小泉大臣には、自分のことばかりアピールするのではなく、自分を支えてくれるスタッフたちに育休や産休の制度を導入するなどの配慮がほしかったです。「自分ばっかりええかっこしないで」というのが、国会女子たちの本音です。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。