ZOZO、前澤前社長への“手切れ金”か…「保有株売却→借金返済」繰り返しの構図の画像1
ZOZOTOWNのサイトより

 衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOは、創業者で前社長の前澤友作氏が保有する株式の一部を取得したほか、新株予約権をBofA証券(旧・メリルリンチ日本証券)に割り当てた。流通する株式の比率を現在の34.8%から、東京証券取引所が来年4月から適用する新たな市場区分「プライム市場」への上場に必要とされる35%以上に高めるのが狙いだ。

 今年3月末時点の筆頭株主は、ZOZOの親会社Zホールディングス(HD)中間株式会社で1億5295万2900株。持株比率は50.1%だ。前澤氏は4155万4900株を保有し、同13.6%で第2位の大株主である。ZOZOは自己株式の買い付けにあたり、前澤氏に普通株式の売却を打診したところ、「一部売却に応じる」と回答を得たと説明する。

 ZOZOが5月25日付で取得した自己株式は、発行済み株式数の2.74%にあたる854万4000株。1株3745円(5月24日の終値)で総額319億9728万円の資金を投じた。新株予約権の発行数は678万株。6月15日払い込みで259億9808万円を得た。設備投資やプロモーション関連、新規事業への投資などに充当する。

 ZOZOの現預金は2021年3月末時点で616億4800万円あり、「自己株式取得後も手元流動性は十分確保できる」としている。東証は22年4月に市場を再編する。グローバル企業向けの「プライム」、中堅企業向け「スタンダード」、成長企業向け「グロース」の3つの市場に区分する。

 東証1部に代わり最上位と位置付けられるプライムのハードルは高い。プライム市場の上場基準は株主数800人以上、流通株式数2万単位以上、流通株式時価総額100億円以上、売買代金時価総額250億円以上、流通株式比率は35%以上、最近2年間の利益合計が25億円以上、もしくは売上高100億円以上かつ時価総額1000億円以上、純資産50億円以上である。数値の基準をクリアするだけでなく、新しいコーポレートガバナンス・コードに沿って取締役会の3分の1以上を独立社外取締役にするなど、優良企業にふさわしいボードの体制の構築が必須となる。

 東証1部上場企業でもプライムの当落線上にある銘柄は多い。ZOZOは前澤氏が保有する株式の一部を取得。新株予約権の発行と組み合わせて流通株の比率を35%超に高め、プライム上場を死守する構えだ。

 20年8月からスマートフォン決済「PayPay(ペイペイ)」に対応したことが集客力のアップに寄与している。1年以内に1回以上商品を買った購入者数は3月末時点で948万人となり、20年3月末から121万人増えた。ZHD傘下のヤフーが運営する「PayPayモール」への新規出店も顧客の獲得につながった。

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