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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

閑散としている「志摩スペイン村」の集客力アップ策を、勝手に考えてみた…コンサル思考術

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
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志摩スペイン村(「Wikipedia」より/Yanajin33)

 ビジネススキルを上げるためにMBAなどビジネススクールに通う方法がありますが、働きながらだと、どうしても時間も金銭的にも制約を受けます。そこでビジネススクールに通わなくても、いつでもどこでもケーススタディを実践できる方法を紹介します。

 それは「どこでもコンサル」です。「どこでもコンサル」とは、目に映る商品や広告、企業に対して、「もし自分がコンサルタントとして依頼を受けたとしたら、何をアドバイスするか」を頭の中で考えることです。

 たとえば通勤電車の中を見渡すと、たくさんの企業の広告があります。そこで、自分が経営コンサルタントならば、その企業にテコ入れし売上アップさせるには、何をどうすべきか。その際に問題となる資金や人的リソース、社内の反発などに対してどう対応するか。

 こういうことを、5分10分程度で、パパッと考えるのです。

 通勤途中の電車内なら中吊りやドア周りの広告、車通勤ならビルから見える看板広告。そのなかから、どれでもいいので興味を持ったものを1つ選びます。そして自分が経営コンサルタントになったつもりで、「この広告主が業績を上げるために、何をどうアドバイスするか」を考えるのだ。

 もちろん「自分が経営者なら」と経営者視点で考える方法もありますが、外部コンサルタントの視点のほうがより客観的かつ論理的に考えようとします。なぜなら、経営者なら「エイヤッ」という覚悟と決断で物事を推進することもできますが、コンサルタントには相手を納得させ動かせるだけの根拠や理論武装が必要だからです。

 その企業、その商品、そのサービスにどんなテコ入れをするか。どのような販促戦略が考えられるか。それはなぜ有効だと考えられるのか。その提案でクライアントを説得できるか。

 ほかにも、たとえば縁日に行ったとき、閑散としている店がある。もし自分なら、どうやってテコ入れするだろうか。遊園地に行って、客がまばらで寂しい。もし自分なら、どうやって集客するだろうか。駅前のすごい数の放置自転車。自分ならどうやって改善案を自治体に提案するだろうか。

 こういうことを、1ケース当たり5~10分くらいで考えるのです。最初は時間がかかるかもしれませんが、徐々に思考の瞬発力がついてきます。通勤に30分かかる人であれば、片道2~3ケースはこなせるようになる。1日5ケースとしても、1年200日で1000ケースという膨大なケーススタディの実践となります。

 そして、この「どこでもコンサル」をやっていくなかで、どういう切り口で考えればよいのかわからなかったこと、知識が足りないなどで思考が行き詰まったという場合に経営理論書や実務書といった参考書に返る。特に多忙な社会人の場合、理論から入るより、実践から入って、つまずいたら理論書に戻るほうが理解しやすいといえるでしょう。先ほどのビジネススクールも、新卒ですぐ入学するより、いったん社会を経験してから入学したほうが腹に落ちるという話を聞いたこともありますが、実際そういうことなのだと思います。

 そしてこれを毎日続ける。すると問題解決力や発想の瞬発力が鍛えられ、半年ほども続けると、頭の回転が断然早くなっているのを実感するはずです。

 実はこの方法、今から約30年近く前に、大前研一氏の著書かインタビュー記事かで知った方法で、私もそれからずっと実践しています。かつて外資戦略コンサルの高難度の入社試験(たとえば「日本にバスケットボールは何個ある? ロジックだけで計算してみて」みたいな面接が10回もある!)に受かったのは、この訓練のおかげだと思っています。

志摩スペイン村の集客力をいかに上げるか?

 そこで最近、私がどこでもコンサルを考えた事例をひとつ紹介します。きっかけはGWに家族と出かけた志摩スペイン村での出来事です。三重県はまん延防止措置の最中だったということと、当日は雨模様だったこともあるのでしょうが、驚くほどガラガラでした。広大な駐車場には車が30台ほどでしょうか。園内も人はまばらで、アトラクションは行列どころか閑古鳥が鳴いている。ジェットコースターも客が1組で走らせる状況。広大なレストランにも客が1組2組ほどで、私たちが入ったレストランも1000人は収容できそうな大きさなのに、客は私たち家族だけ。とにかくほぼ貸し切り状態。いかにコロナ禍とはいえ、年間でもっとも稼ぎ時のはずのGWにこれは厳しいのではないかと。

 そこで自分なりに改善プランを考えてみました。

何が問題なのか?

 子ども目線はともかく、オトナの目線からは、スペインを想起させるストーリー性があまり感じられないアトラクションが多く、スペインの何を伝えたくて何を表現しているのかよくわかりませんでした。

 そもそも日本人自体にスペインへの馴染みがなく、イメージも豊富に持ってはいない可能性があり、スペインに対する「これ」といった憧れも、「これこそがザ・スペインだ」という特徴的な印象もないような気がします。だから、ぼんやりしてしまうのではないか。

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