普段から見慣れているモノや商品、ロゴ、建物といったものたちが、なぜその形をしているのか、考えたことがあるだろうか。もちろん、それにはちゃんとした意味がある。
さまざまな「かたち」をなりたちを紹介する『「かたち」の雑学辞典』(知的生活追跡班編、青春出版社刊)から、いくつか紹介しよう。
オリンピックの「五輪」マークのなりたちは?
オリンピックの象徴といえば、5つの輪が重なり合う五輪のマークだ。1920年のアントワープ大会から使用されるようになったこの五輪は、何を表しているのか。
これは、ヨーロッパ大陸、アメリカ大陸、アフリカ大陸、アジア大陸、オセアニア大陸の5つの大陸を指している。5つの輪が重なり合うのは、5つの大陸が連携し合い、世界中の人が手を結んでいる様子を表現しているのだ。
輪は上に3つ、下に2つ連なっていて、アルファベットの「W」に見える。これは、「World」の頭文字だ。また、諸説あるが、5つの輪は、青・黄・黒・緑・赤、地の白を加えた6色で、世界の国旗のすべてを描くことができるという意味とも言われている。
トイレの男女マークは前の東京オリンピックで生まれた
もう一つ、オリンピックがきっかけになったかたちが、男子トイレと女子トイレのマークだ。これは日本だけなく、世界中どこへ行っても世界共通である。
トイレのマークが生まれたのは、1964年に開催された東京オリンピックのときだ。
この大会では世界から93の国と地域が集まったので、使用する言語もさまざま。そこで、すぐに何を表現しているかがわかるシンボルマークが考案された。選手村やチケット売り場、公衆電話など多くのマークが考案され、その中の一つがトイレのマークだったのだ。
当初は男女とも黒色だったが、のちに男子が青色、女子が赤色に区別されるようになった。
長方形の国旗が多いのはどうして?
その国の象徴とも言える国旗だが、長方形がほとんどだ。なぜなのか。答えは、作りやすく、布地に無駄がないので経済的だからだ。
では、タテとヨコの比率は決まっているのかというと、実は国によってバラバラだ。最も一般的な比率が2対3の国旗で、日本や中国など、多くの国が採用している。アメリカは10対19と決められている。また、ベルギーは、13対15で正方形に近く、バチカン市国は完全に正方形。
長方形と定められているわけではなく、国旗の比率は国によってさまざまなのだ。
ほかにも本書では「マクドナルドのロゴは英語のMじゃない!?」「ドーナツの穴は何のためにあいている!?」「コックの帽子が長い理由は!?」など、日常で目にする「かたち」の謎を明かしていく。
実は意味があって、そのかたちになっているという新たな発見もあるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。