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葛飾区の悲願「新金貨物線の旅客化」は実現するのか?新小岩駅~金町駅を最速約17分で結ぶ

構成=長井雄一朗/ライター
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2019年7月に「新金線」の体験乗車ツアーが行われ、約600人が乗車した

 東京都葛飾区には、新小岩駅と金町駅を結ぶ「新金貨物線」(以下、新金線)が存在する。新金線は1926年に新小岩操車場と共に建設され、東京臨海部と千葉方面との貨物輸送を担う重要な路線とされていた。

 しかし、JR武蔵野線の新松戸駅~西船橋駅間の延伸により、貨物経路が南流山~西船橋間やJR京葉線の西船橋~蘇我間を経由するようになったため、新金線を経由する貨物列車の本数は大幅に減少している。

 この路線について、葛飾区は旅客化を目指し、すでに都市整備部交通政策課に専門部署の「新金線旅客化担当係」を設置したほか、将来の整備費を確保するために「新金貨物線旅客化整備基金」を設け、今後100億円を積み立てる予定だ。

葛飾区の悲願である新金線の旅客化

 新金線の施設はJR東日本とJR貨物が保有しており、総延長は6.6km(新小岩信号場駅~金町駅)の単線で、踏切は15カ所ある。

 葛飾区は東西にJR常磐線、JR総武本線、京成本線、京成押上線、京成金町線、北総鉄道北総線などが走っているが、南北の交通はバスに依存しているのが実情だ。南北の中央部を走る新金線の旅客化が実現すれば、区の一体化や地域の利便性が格段に上がるため、以前から構想があった。

 現在、葛飾区が検討しているのは、(仮)新小岩駅~(仮)金町駅は現行の線路を最大限生かした7駅案と10駅案だ。7駅案は、(仮)新小岩駅、(仮)東新小岩駅、(仮)奥戸駅、(仮)細田駅、(仮)高砂駅、(仮)新宿駅、(仮)金町駅。10駅案は、この7駅に加えて、(仮)南高砂駅、(仮)北高砂駅、(仮)西金町駅が加わる。新小岩~金町間の7.1kmを7駅案なら約17分、10駅案なら約22分で結ぶ計画だ。

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新金線構想の各駅の想定位置(左10駅案、右7駅案)

 葛飾区が2019年3月に発表した「新金貨物線旅客化の検討資料」によると、予測される輸送人員は10 駅案が1日あたり約3万8400人、7駅案が約3万6600人となっている。目的別の輸送人員割合は通勤が最も多く、10駅案が約63%、7駅案が約64%を占める。

 大きな課題となっているのが、国道6号(水戸街道)との平面交差だ。現行でも国道6号と新金線が交差する新宿新道踏切があり、定期貨物列車が通過する際に踏切が下りることが、交通量の多い国道6号の渋滞の一因になっている。

 新金線が旅客化すれば、国道6号がさらに渋滞することが予想されるため、スムーズな通過が前提条件となる。立体化も一案だが、巨額の費用がかかることは避けられない。

 そこで葛飾区は、旅客列車を踏切の手前で停車させ、道路信号が赤信号の間に通過させる方法を検討した。

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葛飾区が検討している国道6号の通過方法

「この通過方法について国土交通省鉄道局に相談した結果、道路信号と連携していたとしても、鉄道信号に基づいて旅客列車が運行通過するのであれば、鉄道事業法上、ただちに問題があるとはいえないとの見解を得た」(葛飾区)

 鉄道事業法を適用するにあたり、鉄道に関する技術基準との整合や、道路信号に基づいて制御する鉄道信号システム、運行定時制の確保、過走等に対する安全確保が課題となる。今後、葛飾区は関係機関と協議しながら、これらの課題を検討していくという。

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