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ガソリン価格高騰、ガソリン税+消費税の二重課税問題…元売りに補助金、効果に疑問

文=編集部
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ガソリンスタンド
「Getty Images」より

 原油価格の高騰に対処するため、米国、日本、中国、インド、英国、韓国は協調して石油備蓄を放出するというカードを切った。消費国が手を携えて原油高に対処する姿勢を打ち出したかたちだが、放出する数量が少ないことに加え、産油国側の反発も予想され、先行きは見通せない。産油国が対抗上、現在の増産ペースを落とすのではないかとの観測も出ている。消費国と産油国の対立が激化すれば、原油価格はさらに不安定となる。

 ガソリンや灯油、重油の値段は、2020年春以降、ほぼ右肩上がりの上昇が続く。経済産業省資源エネルギー庁によると、レギュラーガソリン1リットル当たりの小売価格は、20年4月に130円前後だったが、21年2月に140円台、3月末に150円台となり、11月半ばからは160円台と7年ぶりの高い水準で推移している。今年初めに1バレル=50ドル程度だった原油相場が、約7年ぶりとなる80ドル台まで上昇しているためだ。

 米ブルームバーグ(10月2日付)は<世界的なエネルギー不足を背景に、原油価格が2014年以来初めて1バレル=100ドルを上回り世界的な経済危機を誘発する恐れがあると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が指摘した>と報じた。天然ガス価格は原油換算ですでに1バレル当たり約190ドルに相当する水準へ急伸しており、BofAのレポートは、「ディーゼル油の需要急増で原油価格も同様の領域に押し上げられる可能性がある」としている。

 原油価格の上昇を3つの要素が後押しする。ガス価格高騰に伴い、ガスから原油への切り替えが起こる上に、厳冬期の原油消費の急増、および米国の国境再開に伴う航空需要の増加である。「これらの要因が重なった場合、原油価格は急騰し、世界中でインフレ圧力が高まる事態になりかねない」とBofAのリポートでアナリストが述べている。

天然ガス価格の暴騰で東京電力HDは今期赤字に転落

 天然ガス価格の暴騰は電力業界を直撃した。電力10社は11月26日、2022年1月の家庭向け電力料金を上げると発表した。火力発電に使う液化天然ガス(LNG)などの価格が上がったためという。

 10社すべてが値上げするのは5カ月連続。東京電力ホールディングス(HD)の1月の料金は平均モデル(従量電灯B・30アンペア契約、使用電力量260kWh、口座振替の場合)7631円となり、前年同月比で21%高となる。関西電力は7203円と1年間で13%の上昇だ。中部電力は7306円で21%アップする。

 東京電力HDは2022年3月期の業績予想を下方修正した。最終損益は160億円の赤字(21年3月期は1808億円の黒字)に転落する。最終赤字になるのは13年3月期以来9年ぶりだ。原子力発電所の再稼働が遅れ、火力発電に頼る。燃料のLNGや石炭価格が上昇しており、調達コストが膨らんだ。

 昨年冬の寒波では卸電力市場の価格が急騰し、新電力で経営破綻した企業が出た。卸市場はすでに前年の水準を上回っており、急な寒波が来たら、価格は一気に跳ね上がることになるかもしれない。新電力の経営は昨冬以上に厳しい状況になるかもしれない。

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