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みずほ銀行、またシステム障害…同業者も呆れる「ワンオペ・単純作業ミス」の異常さ

文=編集部
みずほ銀行の店舗(撮影=編集部)
みずほ銀行の店舗(撮影=編集部)

 昨年9回のシステムトラブルを起こし、金融庁から業務改善命令を受けたみずほ銀行で年明け早々、障害が発生した。同銀行の法人向けネットバンキングサービス「みずほe-ビジネスサイト」で、11日午前8時からユーザーがログインしづらくなる不具合が発生した。トラブルは同日午前11時半ごろ復旧したが、原因は同日正午現在、不明だ。同銀行が公式サイトなどで「ATMまたは店頭での取引も検討をお願い申し上げます」とアナウンスしたのものの、一部ユーザーが駆け込み、一部支店では“長時間待ちの顧客”が生じる騒動となったようだ。

 同サービスはネット上で振り込み、口座振替、外国送金、為替取引などができるのだが、11日の営業開始早々、ログインしづらい状況になったのだという。

 同サービスを利用している東京都内の小規模広告代理店経営の男性は「ニュースを知って、通帳と社印をもって午前9時前に支店に駆け込みましたが、すでにお客さんがたくさん来ていて、1時間くらい待たされました。そのため取引先との商談予定をキャンセルしました。海外企業との取引ではネットバンキングは必須です。お金のやり取りは会社の信用にも関わるので年明け早々、肝を冷やしました」と疲れたように語った。

金融庁は「IT現場の実態軽視」「営業現場の実態軽視」を指摘

 同銀行では昨年12月30日にもATMやネットバンキングサービスで他行への振り込みができないトラブルが発生していた。複数の報道によると、通常自動で行っている日中と取引時間外のシステム切り替えを、年末は手動で変更しなければならないところ、同銀行システム部門の担当者1人が、切り替え時間を間違えたことが原因だったという。

 相次ぐシステム障害に対し、金融庁は11月26日、「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループ(FG)に対する行政処分について」を公表。業務改善命令を下した。

 金融庁はこの業務改善命令で、一連のトラブルの“真因”を「システムに係るリスクと専門性の軽視」「IT現場の実態軽視」「顧客影響に対する感度の欠如、営業現場の実態軽視」「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」と指摘。「過去の教訓を踏まえた取組みの中には継続されていないものがあるという点、あるいは環境変化への適切な対応が図られていないものがあるという点において、自浄作用が十分に機能しているとは認められない」と厳しく指摘し、経営責任の明確化を求めた。

年末障害の原因「システム担当者1人が対応する」ことの問題

 外資系金融機関に勤務する、元みずほ銀行関係者は語る。

「今回のトラブルの原因は今のところ(11日正午現在)、明らかになっていませんが、金融庁が指摘する、顧客影響への深刻さと営業現場への実態軽視を強調するような事態になってしまったと思います。

 昨年末のトラブルに関しては、“すぐには変われない”みずほ銀行を象徴している事案だと思いました。コロナ禍ということもあり、多くの企業でシステム担当も常駐者を減らすような対応を取っています。しかし、みずほ銀行では、昨年いろいろなことがあったわけですから、単純作業であってもワンオペで行うのは異常な気がします。

 年末であっても担当者を複数にして、常にダブルチェックするような体制が求められているんじゃないでしょうか。いずれにしても、現場の誰かひとりを悪者にして終わりにしないようにしてほしいものです。上層部の人員が繰り上がりで入れ替わっても、現場の兵隊の状況が変わらなければミスは起こると思います。企業風土が変わることが求められていると感じます」

 昨年の金融庁の業務改善命令を受け、みずほFGの坂井辰史社長は4月に引責辞任する予定だ。そして今月10日、社外取締役を中心とした指名委員会で、後任社長に木原正裕執行役を昇格させる方針が示されたのだが、その翌日に今回の大規模なシステムトラブルが発生することになった。新経営陣が今年、同銀行の信頼回復を完遂できるのかに注目が集まっている。

(文=編集部)

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