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トヨタ、ランクル納期4年でも増産しない事情…利益優先でファンを蔑ろに

文=桜井遼/ジャーナリスト
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トヨタ「ランドクルーザー」(「Wikipedia」より

 トヨタ自動車は、国内市場でSUV「ランドクルーザー」(ランクル)300シリーズを注文してから納車されるまで4年程度かかる場合があるとホームページ上で公表した。ランクルの300シリーズは昨年8月にフルモデルチェンジして国内市場で販売開始したが、発売前から注文が殺到、納期が大幅に遅れている。トヨタが、国内市場向けバックオーダーが積み上がっているランクル300シリーズを本格的に増産するなどの対応していない理由はなんなのだろうか。

「ランドクルーザーは日本のみならず世界各国でも大変ご好評いただいており、ご注文いただいてからお届けするのに多大な時間を要する見通しとなっておりますことを、心よりお詫び申し上げます」

 トヨタは1月19日時点の情報として、ランクル300シリーズの納期が4年程度になる場合があることを示すとともに、納車遅れを謝罪した。トヨタ系販売店などはこれまで、ランクル300シリーズが納車まで2年以上かかると説明していたが、トヨタが対応していないことから注文は積み上がる一方で、納車まで4年程度に延びた。一部販売店によるとディーゼルエンジンの場合は「納車まで7年程度という噂も聞く」という。

 ランクルは初代モデルから「どこへでも行き、生きて帰ってこられること」を一貫したコンセプトとするSUV。歴代すべてのモデルが信頼性や耐久性、悪路走破性を重視した本格SUVモデルとして一定のファンがいるのは事実だが、高額なため、購買層は限られる。ただ、壊れにくいことや、故障しても補修部品を安定調達できることから砂漠などの走行環境が厳しい中東地域など、海外市場では高い人気を保っている。

 トヨタは昨年8月、ランクルを14年ぶりに全面改良した300シリーズを国内で販売開始した。新型車は新型ラダーフレームを採用するなど、一新して悪路走破性などを確保しながら、運転しやすく、疲れにくい走りを実現する機能を採り入れた。なかでもトヨタ車として初となる指紋認証スタートスイッチを採用。これは指紋情報が一致しなければエンジンが始動しないセキュリティ機構。海外市場で高値で売買されることから盗難被害の多いランクルならではの装備といえる。

 ランクル300シリーズの価格は510万~800万円と決して安くはないにもかかわらず、発売前から注文が殺到した。発売1カ月前にトヨタの販売店で予約注文の受付を開始したが、2万台以上の受注を獲得、注文の受付を一時停止したほどだ。発売後に受注を再開したが、その後も注文の勢いは衰えていない。

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