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楽天Rakuten Handもれなくプレゼント!で「もれる人」続出で批判殺到

文=編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表、山口健太/ITジャーナリスト
楽天Rakuten Handもれなくプレゼント!で「もれる人」続出で批判殺到の画像1
楽天モバイルのHPより

 楽天モバイルが展開したキャンペーン「Rakuten Handもれなくプレゼント!」で、“もれる人”が続出しているとして物議を醸している。

 楽天モバイルはRakuten Miniのユーザー向けにスマートフォン「Rakuten Hand」をエントリー先着順でプレゼントするキャンペーンを2月18日10時から開始し、同日21時頃にエントリーの受け付けを終了。サイト上では注意事項欄に「エントリー先着順となります。在庫がなくなり次第、キャンペーン終了となります」と書かれていたものの、エントリーが完了していても在庫がない場合は配布されないことがわかり、さらに告知では「もれなくプレゼント!」と大きく謳われていたため、SNS上では次のような声が続出する事態となっている。

<到着楽しみにしてたのに落選らしくて泣いてる。もれなくプレゼントって書いてあったのに>(原文ママ、以下同)

<「もれなく」と書かれていたのに、楽天では「もれなく」の定義が普通と違うらしい…>

<対象のお客様にもれなくRakuten Handプレゼント!って言われたからウキウキで応募したのに用意できませんでしたってメールが来てびっくりして泣いちゃった>

<こんなに在庫少ないのに「もれなくプレゼント」とあんな大きな字で‥ほとんどがもらえると勘違いするよね。「少ないよ早い者勝ち!」と大きく書くべき。それならこんなに期待しなかった>

<まだ届かないので問い合わせしたところ、落選とのこと。もれなく、とは?おかしいやん。それに合わせて専用ケース買ったのに>

<エントリー完了=当選と勘違いしてしまいます>

<無料プレゼントの件、ダメだった。無料だから正直あんま文句言えないけど上げて落とされるのはやはり悲しい…楽天…..>

<在庫切れで送れないわメール着たけど、「もれなく」プレゼントって言ったのは自分やろ。「もれなく」に対する説明はないんか>

<なんでわざわざ心証マイナスにするキャンペーンを…>

<もれなくプレゼントと言う割には漏れたっぽくて、自分から印象悪くして解約を誘発するあたり、やっぱ楽天はぶっ飛んでると思うの>

<「もれなくプレゼント」の表記だけでなくありとあらゆる点でグダグダなキャンペーンで怒るのは当たり前だよ>

楽天モバイル「開始後に当社の予想を超える反響があった」

 SNS上では「エントリー完了=当選」と考えてRakuten Handのケースを購入してしまったものの、落選とわかり困惑する人々の声もみられるが、今回のキャンペーン展開は適切だといえるのだろうか。

 ITジャーナリストの山口健太氏は次のように解説する。

「楽天モバイルの小型スマホ・Rakuten Handは、5G対応の後継モデルを出したことで旧モデルの在庫処分を進めています。携帯キャリアでは『1円』などの廉価で売る手法が定番となっていますが、同じ小型スマホであるRakuten Miniのユーザーにプレゼントするというのは面白い試みです。

 今回のキャンペーンでは案内メールを受け取った人限定で『もれなくプレゼント』と謳っているものの、注意事項では『エントリーしても在庫が足りない場合がある』との但し書きがあります。これは『もれなく』という表現から受ける印象とはやや異なります。

 楽天モバイルによれば『あらかじめ相応の在庫は確保していたが、開始後に当社の予想を超える反響があった』として、対象外となった人に謝罪しています。あくまで無料プレゼントであり、多くを求めすぎるのもどうかと思いますが、在庫数に達した時点で申し込みを打ち切るか『数量限定』を強調しておけば混乱は少なかったでしょう。

 4月から楽天モバイルはKDDIによるローミングエリアを縮小し、自社エリアを拡大します。これまではユーザーを獲得してもKDDIに支払うローミング費用が増えるというジレンマがありましたが、いよいよユーザー獲得に本腰を入れる構えです。今後のキャンペーンでは誤解の余地がない説明を期待したいところです」

景品表示法

 また、山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は次のように解説する。

「こういった何かをプレゼントするキャンペーンは、法律(景品表示法)上、『総付景品の提供』といいます。くじなどの偶然に左右されずに、要するに、応募した人みんながもらえる場合です。これには、数量を限定して『申込順、先着順』の場合も含まれると考えられています。したがって、普通に考えれば、プレゼント(景品)の量には限界があるわけですから、企業が用意したプレゼント(景品)がなくなれば、それでおしまいです。何の文句も言えません。

 しかし、『くじなどの偶然に左右されずに、要するに、応募した人みんながもらえる』といいながら、実は、その用意した数量が『フツー、もらえるだろ』という数量より圧倒的に少なかったような場合は、消費者に対し『プレゼント(景品)』を目の前にぶらさげて商品やサービスを買わせたものとして、『有利誤認』と判断される場合もあります。この『有利誤認』と判断されるならば、消費者庁や公正取引員会からお咎め(行政指導など)があるでしょうから、この場合、景品表示法上、違法となります」

 楽天モバイルといえば昨年12月、同社回線契約者でiPhoneを使用している人々から「着信ができない」という報告がTwitter上で相次いだものの、同社は当初、その情報を公表しなかったため批判を浴び、総務省から原因究明と解消を求められるという問題を起こしたばかりだった。今後、利用者を拡大していくためにも、不必要に企業イメージを低下させてしまう行動は避けたほうがよさそうだ。

(文=編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表、山口健太/ITジャーナリスト)

楽天Rakuten Handもれなくプレゼント!で「もれる人」続出で批判殺到の画像2山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

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