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木下隆之「クルマ激辛定食」

トヨタ「ランドクルーザー」、14年ぶり全面刷新に驚愕…都会的クロカン要素が充実

文=木下隆之/レーシングドライバー
トヨタ「ランドクルーザー」、14年ぶり全面刷新に驚愕…都会的クロカン要素が充実の画像1
トヨタ自動車「ランドクルーザー」

 トヨタ自動車ランドクルーザー」の誕生は1951年。それ以来、オフロード派に受け入れられてきた。今年で生誕70年目、販売台数は累計1060万台。年間30万台以上のランドクルーザーが世界170カ国で販売されてきたという。経済性の高い大衆的コンパクトモデルならばいざ知らず、高い悪路走破性を特徴とする特殊なモデルとしては、驚異的な数字であろう。紛うことなき世界的な長寿ブランドである。

 そんなランドクルーザーが今年、フルモデルチェンジされて生まれ変わった。先代のデビューが2007年だから、14年ぶりの全面刷新である。

 基本コンセプトに乱れはない。「信頼性、耐久性、悪路走破性」を開発コンセプトに掲げている。プラットフォームは、トラックなどにも採用されているハシゴ型ラダーフレームを踏襲。乗り心地や操縦性にやや難があるものの、頑丈で耐久性が高いその構造を捨てることはなかった。

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 一般的な乗用車が採用するモノコックは、ボディ全体で剛性を支えており、しなやかな乗り味を得るには都合がいい。だが、耐久性を得るには欠点がある。それを嫌ったために、頑固一徹にラダーフレームにこだわったのである。

 とはいうものの、現代流のスパイスも注いでいる。乗り心地を犠牲にしてまで悪路走破性にこだわるのではなく、「どんな道でも運転しやすく、疲れにくい」を新たにコンセプトに盛り込んだのだ。無骨一辺倒では、”優しさ”を好む最近のユーザーには支持されないとの判断だろう。

 そのため、格段に乗りやすくなった。エンジンはV型6気筒で、3.5リッターガソリンと3.3リッターのディーゼルがラインナップされる。ともにツインターボ。これまでのV型8気筒4.4リッターNAは廃止され、ダウンサイジングとともにツインターボ化でパワーアップに成功している。

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 V型6気筒3.5ツインターボガソリンのパワースペックは最高出力415ps、最大トルクは650Nm。3.3リッターツインターボディーセルは309psの最高出力と700Nmの最大トルクを発生する。共に10速ATと組み合わされている。どちらも極低回転域から力強く、10段階に区切ったギアが適切な回転域を選んでくれるからストレスが少ない。聞かされなければターボであることに気づかないほど、レスポンス遅れがない。

 乗りやすくもある。サスペンション形式は従来型と大きな変化はない。フロントはダブルウィッシュボーン式であり、リアはトレーリングリンク車軸式。リアのサス構造もラダーフレーム同様、無骨な乗り味ではあるものの、耐久性や接地性に優れている。だが、電子制御サスペンション等の細工により、路面からの突き上げは優しい。電動パワーステアリングも装備される。

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 12.3インチの大型ディスプレーが組み込まれるなど、インテリアは豪華である。高度運転支援技術も盛り込まれ、スマートキーを活用した先進的デバイスも充実している。ともすれば、ラダーフレーム構造の無骨なオフロードモデルであることを忘れてしまいそうになる。

 今回の試乗はオンロードに限定されており、メーカーが主張する高い悪路走破性の確認はできなかったが、くしくも”都会的4WD”であるかのような走り味が印象的だった。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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