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医師はツライよ!派閥外れバイト暮らし、患者がすぐネットにクレーム書き込み&医療裁判

構成=尾藤克之/ジャーナリスト
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 また、医師免許のコピーを提出するよう義務付けていますが、専門(認定医、専門医、学会)以外のことはわかりません。技量を測定することができないため、決裁責任者である院長や副院長にも会ってもらいますが、それでも実力までは見抜けないことが多いのです。

 会社員と同じように、医師にも労働組合があります。手厚く保護をされていますから、病院に適合しないからといって辞めさせることはできません。また質の悪い斡旋業者も増えてきました。着手金を振り込んだあと、連絡がとれなくなる業者もいます。

 先にも触れましたが、今年5月、福岡の紹介会社A社の紹介でニセ医師が眼科医として勤務し、コンタクトレンズの処方をしていた事件がありました。診察を受けた患者は800名以上に上りましたが、ニセ医師を紹介した会社は公にならず、受け入れ先の医療機関が実名報道されて大きな経営上のダメージを負っています。こういった人物を送り込んだ医師紹介会社にも処罰が下るべきです。

–医師と患者のトラブルは、対処がかなり難しそうですね。

吉池 実は患者側にも、トラブルメーカーがいます。例えば、病気をでっち上げる人です。入院は本人の意思に基づく任意入院と、自殺意図や反社会性を考慮に入れた都道府県知事命令による医療保護入院があります。ところが、借金の取り立てなどに耐えかねて、病院を駆け込み寺にする人がいます。取り立て側も、さすがに病院にまで来ることはできませんが、一歩間違えると人権問題などに進展することがあるので、慎重な対応が必要になります。

–医師は、病気以外にも対処を迫られることが多くあるのですね。

吉池 医師は治療に当たっても、非常に大きなストレスを受けます。例えば、がん患者に、死に至る副作用の危険がある薬剤を投与する場合、大きなストレスを強いられることになります。これだけのストレスを抱える仕事だからこそ、高い給与をもらえるともいえます。

 日本には200社以上の医師紹介会社があるといわれていますが、医師紹介会社研究所では、毎年そのうち上位100社の調査と実力評価を行っています。各紹介会社が医師と病院の正しいマッチングを誠実に行い、医療業界に寄与していただきたいと考えております。

–ありがとうございました。
(構成=尾藤克之/ジャーナリスト)

●尾藤克之(びとう・かつゆき)
東京都出身。ジャーナリスト/経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)、『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など多数。

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