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安倍首相の“お友達企業”取締役に、あのSTAP細胞問題の戦犯が就任!

文=編集部
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「中興の祖」と呼ばれる故・前田勝之助氏は1987年に社長に就任すると、「世界的に見れば繊維は成長産業だ」と語り、東南アジアを中心に重点投資を始めた。そこを欧米向けの輸出拠点にし、内需の落ち込みをカバーする戦略を立てた。これが成功し、前田氏は97年に社長を退いた。

 しかし、2000年頃から中国繊維メーカーとの競争に敗れて、東レは02年3月期に単体決算ながら初の営業赤字に転落し、02年に榊原氏へ社長が交代。緊急登板でCEO(最高経営責任者)に復帰した前田氏とともに企業再生に取り組んだ。

 03年、ユニクロを運営するファーストリテイリングと共同開発した機能性肌着「ヒートテック」が業績回復への起爆剤となり、06年には米ボーイングと炭素繊維の長期供給を結んだ。炭素繊維の特徴は、「鉄よりも強く、アルミよりも軽い」という点。航空機向けのほか、シェールガスブームを背景に圧縮天然ガスのガスタンクの用途が広がりをみせている。今後の有望市場は自動車向けだ。今や、東レは炭素繊維のトップメーカーだ。苦境を乗り越えて黄金期を迎えようとしている。

 今年のゴールデンウィーク最終日に当たる5月6日、安倍晋三首相は山梨県山中湖村の「富士ゴルフコース」で、榊原氏、経団連の御手洗冨士夫名誉会長(キヤノン会長兼社長)、渡文明JXホールディングス名誉顧問とゴルフをした。榊原氏は安倍首相と頻繁にゴルフや会食をするほど距離が近いことで知られている。

榊原経団連、2年目へ

 その榊原氏の経団連会長就任から2年目に入った6月2日、経団連定時総会で安倍首相は挨拶し、国内企業のトップ約470人を前に、「デフレマインドを払拭し、大胆な投資に踏み切る時期だ」との認識を示し、積極的な国内投資を呼びかけた。「最初は(経団連に)注文ばかりしたが、今回はお礼ばかり申し上げたい」と安倍首相はもろ手を上げて経団連を持ち上げた。

 榊原氏は昨年、経団連会員企業に政治献金の復活を呼びかけたが、それを疑問視する見方も経済界に多い。政治との距離をどう保つかが、「榊原経団連」にとって2年目の大きな課題とみられている。
(文=編集部)

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