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USJが正式に名乗りを上げれば、進出候補とされる沖縄県本部町の「海洋博公園」で建ぺい率の上限が引き上げられ、建設が容易になると予想される。5月30日、政府の和泉洋人首相補佐官とUSJの森岡毅執行役員が同公園を視察した。海洋博公園は1975~76年に開催された沖縄国際海洋博覧会の跡地で、広さは72ヘクタールある。このほか、名護市のネオパークオキナワ(名護自然動植物公園)も候補地として挙がっている。
政府とUSJの間には、思惑の違いが見え隠れする。
沖縄県内には、政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反発する声が強い。政府は海洋博公園に大規模なテーマパークを建設して、沖縄振興策の目玉にしたい考えだ。雇用が新たに生まれ、観光客がカネを落とすことをアピールする。「安倍首相がカジノ解禁に熱心だったのは、辺野古移設の見返りに実施する沖縄振興策の切り札と見なしていたから」(全国紙記者)ともいわれる。
だが、肝心のカジノ解禁の雲行きが怪しくなってきた。カジノ解禁法案は超党派の国際観光産業振興議員連盟が作成し、自民、維新、次世代の3党が4月に共同提出した。しかし、与野党ともに党内にカジノ解禁への慎重論が根強く、審議入りの見通しは立っていない。カジノを含む統合型リゾート(IR)計画がお蔵入りになれば、USJとしては沖縄に新しいテーマパークを建設するメリットは一気に減る。USJの沖縄進出に早くも暗雲が立ち込めつつある。
(文=編集部)
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