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かつて、巨額の研究開発費がかかる製薬業界は、合従連衡により投資額をカバーしたり開発品・製品を確保したりする必要があるとされた。ファイザーモデルと呼ばれたそれは、この10年間、国内製薬企業にも合併や海外ベンチャー企業買収をもたらせた。
とはいえ、現状を見ると、合従連衡や買収を繰り返しても国内製薬企業の規模、研究開発投資額は世界上位企業に遠く及ばない。昨年、1兆1000億円をかけてスイスの製薬企業・ナイコメッドを買収した武田でも「もう同程度の買収余力はない」(関係者)という状況だ。他社もひととおりの大型買収を済ませ、この先、数年は大胆に動けないとみられている。
海外のメガファーマとよばれる巨大製薬企業群は、買収の額が一ケタ、二ケタは違い、その頻度も多い。もちろん、企業規模だけで新薬がつくられるわけではない。だが、創薬力の基盤が資金を含めた企業規模であることは間違いない。国内製薬企業が今後、生き残っていくためには、足りない体力を補うもう一段階上の工夫が必要であろう。
(文=草野 楽/メディカルジャーナリスト)
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