消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
マクドナルドは「100円マック」など低価格商品で集客力を高め、季節限定の高価格商品で収益を上げるというビジネスモデルだった。それを可能にしたのは、円高で海外から安い原材料を調達できたからだ。現在は、円安で輸入食材の高止まりが続く。一方で、消費者が求めるのが「お買い得」感のある商品であることに変わりはない。再び米国から派遣されてくるとみられている新しい経営トップの下で、消費者目線に立ったヒット商品を開発しながら低価格路線を継続するのは至難の業である。
今秋から展開する国産食材シリーズの第1弾として、北海道産のチーズを使ったハンバーガーを9月1日から展開。限定で販売した。タマゴをはさんだ秋の定番商品「月見バーガー」系の新製品として、北海道のチェダーチーズを加えた「北海道チーズ月見」(370円)と「チキン月見北海道チーズ」(380円)を発売した。
カサノバ社長は「下期は、日本人の好みに合ったおいしさを提供する」と語っており、国産材料を前面に出したキャンペーンは、その一環である。第2弾として、長野県の巨峰を使ったデザートを積極的に売り込む。
8月の既存店売上高は2.6%増、19カ月ぶり
8月の既存店売上高は2.6%増と19カ月ぶりに増収となったが、増収幅は小幅にとどまった。昨年8月以降、既存店売り上げは2割前後落ち込んでおり、2.6%増では復調とはとてもとても言えない数字だ。
本来、8月は最も売り上げが多い時期。多くのフランチャイズチェーン(FC)店のオーナーは昨年の落ち込みを取り返したいと考えていた。2.6%の小幅増収では「期待外れ」との落胆の声があがる。
回復の兆しが見え始めていたが、今回のプラスチック片の混入、購入した女性が口の中を切るけがをした事件の発覚で、再び消費者の不信感が高まれば、経営再建はさらに遠のく。来客数が減る恐れもある。
カサノバ社長は「安心と安全が事業の根幹」と位置付けていた。また、異物の混入事件が起こり、この根幹が大きく揺らいでいる。
(文=編集部)
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