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ミサワホーム、ついにトヨタの軍門に下る…容赦ない“完全子会社化”で上場廃止に

文=編集部

青木あすなろ建設の前身は「政治銘柄」といわれた青木建設

 中堅ゼネコンの高松コンストラクショングループは19年8月、79.08%を保有する子会社、青木あすなろ建設の株式をTOBで買い増して完全子会社化を目指す。TOB期間は8月7日から9月19日までの30営業日。青木あすなろ株の8月6日の終値(788円)に5割のプレミアムをのせ、1株1210円で買い付ける。取得資金138億円は銀行借り入れで賄う。青木コンストラクション、青木あすなろ建設とも東証1部に上場しており、親子上場を解消する。完全子会社化後、青木あすなろ建設は上場廃止となる。

 青木あすなろ建設は海洋土木に強く、19年3月期の売上高は1524億円、純利益40億円をあげていた。青木あすなろ建設の株価は、連日ストップ高を経て8月9月にTOB価格(1210円)にサヤ寄せし、1209円まで買われた。TOB発表直後の6日終値(788円)から3日間で53.4%高となった。8月15日の終値も1209円で年初来高値と同じだった。

 青木あすなろ建設の前身は準大手ゼネコンの青木建設。かつて青木建設株に政治家が売買に介入。選挙や政局の節目に動意づく「政治銘柄」の代表格だった。創業家の2代目で大蔵官僚出身の青木宏悦会長は、故・竹下登元首相の官房副長官時代に官房長官秘書を務めた縁から、青木建設は「竹下銘柄」とささやかれたこともあった。

 バブル崩壊で不動産、流通、建設(ゼネコン)は「不良債権御三家」と呼ばれたが、青木建設もご多分に漏れず巨額の不良債権を抱えていた。青木建設がこれまで生き残ってきたのは、政治力の賜物といわれた。

 反・竹下派の小泉純一郎首相の誕生で流れが変わった。小泉政権は聖域なき構造改革に突き進む。金融庁は金融機関の不良債権処理を加速させた。

 青木建設は01年12月、東京地裁に民事再生法を申請した。負債総額はグループ全体で5200億円、単体で3721億円。02年2月、大幅な債権カットで民事再生手続きを終結。再建スポンサーとなった高松建設(現・高松コンストラクショングループ)が70%、小松建設工業が30%の株式を引き受けた。

 04年、東証1部上場のあすなろ建設(旧・小松建設工業)を存続会社として、あすなろ建設と合併。青木あすなろ建設となり今日に至る。青木建設はバブル期を象徴する企業の1社だった。
(文=編集部)

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