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最高益達成トヨタへ憤慨の声噴出…下請けは買い叩かれ業績悪化、“反旗翻す”機運

文=河村靖史/ジャーナリスト
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豊田章男・トヨタ社長(写真:AFP/アフロ)

 業績好調のトヨタ自動車に対する怨嗟の声が広がっている。トヨタが11月7日に発表した2019年4-9月期(第2四半期累計)の連結決算は、純利益が前年同期比2.6%増の1兆2749億円と過去最高となった。米中貿易摩擦や原材料価格の高騰、為替の円高などの影響で、製造業全体の業績が悪化しているなか、「買い叩かれている」サプライヤーなどの取引先はトヨタの「1人勝ち」を忸怩たる想いで見つめている。

 トヨタが発表した第2四半期の連結業績は、売上高が同4.2%増の15兆2855億円、営業利益が同11.3%増の1兆4043億円と、増収増益となった。要因はさまざまだが、GM(ゼネラルモーターズ)やフォード・モーター、ダイムラー、日産自動車など、世界の自動車大手の業績が全体的に低調ななか、トヨタの成長は異例だ。トヨタは日本、北米、欧州で新車販売が順調に伸びたのに加え、原価低減の効果もあって、売上高営業利益率が9.2%と、高水準を達成した。だがトヨタの高い成長の陰で、取引先にそのしわ寄せがいっている。

「仕入先とは一緒になってコストを作り込む活動を始めている」。今回の業績発表の記者会見でトヨタの河合満副社長は、サプライヤーなどの取引先の経営改善を支援していることを強調した。しかし、取引先側の受け止め方は異なる。

 あるサプライヤーは、「トヨタの調達担当者は、ことあるごとに『自動車業界が100年に1度の大変革期に入り、自動運転などの先端分野での投資が膨らむ』と主張して、コストダウンを迫ってくる」と嘆く。また「6カ月間で1.2兆円を稼ぎだす巨大企業から、『将来の生き残りに危機感を持っているのでコストダウンに協力しろ』と言われても」と反発する声もある。

疲弊する取引先

 実際、トヨタの取引先は疲弊している。日中貿易摩擦による世界経済の悪化や、原材料価格の上昇、為替水準の円高などによって、製造業は全体的に業績が低迷している。自動車メーカーの主要調達先である日本製鉄の19年第2四半期の連結営業利益は同53.7%減の731億円と、前年同期と比べてほぼ半減し、神戸製鋼所も同67.8%減の74億円と、大幅減益だった。

 トヨタグループ大手サプライヤー、デンソーの19年第2四半期の連結営業利益は同12.0%減の1340億円、アイシン精機が同56.6%減の534億円と減益となり、両社はともに通期業績見通しを下方修正した。トヨタグループで大手の1次サプライヤーでも業績が悪化しており、2次下請けや3次下請けの業績悪化は確実だ。

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