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富士通本社(「Wikipedia」より) 本日(2月5日)付日本経済新聞朝刊は、富士通が2013年3月期に、半導体などの不振事業の立て直しのため、1000億円近い連結最終赤字を計上する見通しになったと報じた(記事『富士通、赤字1000億円規模)。従来の250億円の最終黒字の見込みから一転した格好となる。
半導体事業は、事業再編と減損により、利益の出る体質に変える。特に採算が低迷しているシステムLSI(大規模集積回路)については、台湾・TSMCやパナソニックなどと、共同出資の製造会社を設立する方向で調整中。主力半導体工場(三重県桑名市)の新鋭設備は新製造会社へ売却し、半導体工場設備の減損処理を行うことで、多額損失を計上するという。また、システムLSIは、設計開発部門についても日本政策投資銀行の出資を受け、パナソニックと新会社をつくる。
新製造会社では台湾・TSMCが、設計開発部門を移す新会社では日本政策投資銀行がそれぞれ過半を出資する方向で調整中で、実現すれば富士通は、業績の振幅が大きい半導体事業の影響を受けにくくなる。
加えて、世界的な競争激化で不振が続くドイツ子会社も、パソコンやサーバーなどのハード中心からサービス中心の事業構造に転換。欧州事業の構造改革も進める。
富士通はこれらの取り組みにより、今後、主力の情報システム構築やクラウドといったITサービスの世展展開に経営資源を集中する。例えば、クラウドサービスの拠点となるデータセンターを海外で増やしたり、スパコン「京」の商用機を活用した高度なシステム販売を強化する。
(文=編集部)
※画像は富士通本社(「Wikipedia」より)
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