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北海道の危機…鉄道の半分が維持困難、12の空港ひしめき赤字深刻、道民流出続く

文=編集部
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北海道の危機…鉄道の半分が維持困難、12の空港ひしめき赤字深刻、道民流出続くの画像1釧路空港

 人口減、道内格差が広がる北海道は、起死回生の一手として「空港民営化」の実現に向けて取り組んでいる。東京五輪が開催される2020年までに、道内にある13空港(定期便が就航しているのは12空港)のうち7空港の一括民営化を目指すというものだ。玄関口である新千歳空港を中核に国内外、道内の路線のネットワークを強化して訪日外国人(インバウンド)を取り込み、経済の活性化を図る狙いがある。

 事態が大きく動いたのは3月中旬だった。高橋はるみ道知事が首相官邸を訪れ、菅義偉官房長官と会談。その場で新千歳、函館、釧路、稚内の4空港の一括民営化の方向で一致した。8月になると、高橋知事がこの4空港に道や市が管理する旭川、帯広、女満別を加えた7空港を一括民営化する「北海道における空港運営戦略素案の推進」を発表した。

「20年までに、インバウンドを15年の倍に当たる4000万人に増やす目標を掲げている国の観光戦略にとって、北海道は重要な観光拠点です。道内の空港一括民営化は、北海道の要望でもあるが、国としても積極的に進めたいテーマ。両者の思惑が一致し、一気に政治主導で進むことになったのです」(北海道を取材するジャーナリスト)

 業績が絶好調の新千歳空港をハブ空港として道内の路線網を拡充させることで、海外からの観光客を道北や道東に送り込み、新たな市場を開拓して経済を活性化させようというもの。道産物の輸出拡大や空港の収益体質を強化するという一石二鳥の狙いもある。

進む道内格差

 空港民営化の構想が出てきた背景には、北海道が抱えるさまざまな事情がある。その最たるものが、道内における地域格差だ。それは人口減に顕著に表れている。

 15年国勢調査によると、道内人口は約538万人でピークだった1995年の569万人から31万人も減少した。札幌一極集中が進む一方で、道内179市町村の95%超に当たる171市町村で人口が減少した。若者の道外流出も止まらない。

 国立社会保障・人口問題研究所のデータを基に北海道経済連合会がまとめた資料では、人口がもっとも多い札幌を含む道央圏でさえ、10年の340万人が40年には275万人に減ると推計している。高齢化の進行も深刻で、道央圏の高齢化率は15年の23.3%から40.3%へとアップするとみられている。

BusinessJournal編集部

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