濃厚なビーフパウダーの旨味とサッパリとしたわさび風味で、ファンから根強い支持を受けている山芳製菓(東京都板橋区)の「ポテトチップス わさビーフ」が9月1日からリニューアルする。現行の商品より濃厚なビーフの味わいを残しながらも、わさび風味の刺激をアップし、後味のキレをよくするなど工夫を凝らしているとのことなのだが、何より目を引く最大の変化はパッケージデザインだ。
「わさっち引退」に悲しみの声相次ぐ
これまで33年前の発売開始以来、同商品のパッケージキャラクターだった「わさっち」が引退し、キングコング西野亮廣氏と同氏のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のメンバー有志が監修した新キャラクター「わさぎゅ~」がデビューすることになったのだ。これに対して『わさっち』の引退を悲しむ声と、西野氏の「わさぎゅ~」のデザインに違和感を訴える声が続出。インターネット上で議論になっている。
わさビーフのパッケージには白に茶色のブチ模様のホルスタインのような牛のキャラクターが長年描かれていて、たれ目で眠そうな表情が“ゆるくていい”“カワイイ”などと愛着を持たれていた。一方、このキャラクターにはながらく名前がなく、2015年に公募でキャラクター名を公募して「わさっち」と命名されたのだという。同商品のシンボルであることに加え、公募でファンから名称を募ったこともあり、今回のリニューアルを同社広報が18日、公式Twitterアカウントで発表したところ、以下のような声が多数寄せられた。
「今の、わさっちの方が好きー」(原文ママ、以下同)
「これは、、、受け入れ難い、、、、せめて限定キャラという形に!」
「う~ん?パッケージデザインは変わってもいいけど、キャラクターは替えない方がよかったと思うのですが…なんか残念です)」
キンコン西野監修の豚のようなキャラ
一方で、西野氏が手がけた新キャラのデザインにも、以下のような声が上がっている。
「新しいキャラ全然クッソかわいくないんだけど… なにこのダセェキャラ」
「残念だ…わさっちのゆるカワが好きやったのに 豚のような牛のような頭足人になってしまうなんて…山芳製菓さん、どうしちゃったの?」
「山芳さんのポテチ大好きで、いつも購入しているものです。ずいぶん昔に食べた唐揚げ味大好きでした。わさっちのリストラ残念でなりません。しかも、わざわざイメージの悪い人に頼まなくても…。もう私は商品ターゲットからは外れてしまったのでしょう。仕方ありませんが悲しいですね」
確かに、新キャラクターは鼻の部分が“豚”のように見える。また全身が緑色に統一され、“牛感”が後退した印象は否めない。
キャラクターのデザイン性に関する指摘のほかにも、俗にいう“意識高い系”の言動を繰り返す西野氏が「監修に参画したこと」への批判も目立つ。西野氏はここ数年、メディアや講演で「誰からも好かれるのをやめた」「時々、不倫とかしているがもう平気」「『嫌われ度』の比率が高ければ高いほど声は大きくしたほうがいい」などと主張していた。
同社プレスリリースによると、今回の企画は「山芳製菓側より西野氏に、 リニューアルをサポートしてほしいとオファーをしたところ、 自身も『わさビーフを良く買っている』ということで快諾頂き、今回のプロジェクトが実現しました」という。
山芳製菓マーケティング部の広報担当者は次のように語る。
「多くのファンの方から、『わさっち』が引退することへの驚きや残念に思われる声を頂きました。『わさっち』に親しみを持ってくださっているからこその、戸惑いや寂しさがおありになるのだと思います。
弊社としても長年愛着をもっていたキャラクターではありましたが、新しい一歩のために、その役目を終えてこの度、バトンタッチすることになりました。新しいわさビーフと新キャラクターにも愛着を持っていただけるようがんばっていきたいと思っております」
リニューアル商品は9月1日に全国一斉発売される。標準小売価格は130円(税抜き)だ。パッケージデザインの批評はさておき、同商品はあくまでポテトチップスなので、その味こそ最も大事だ。まずは一度食べて新旧の違いを比べてみるのも良いかもしれない。
(文=編集部)