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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

ポケモンGO、ミドル世代がいまだに飽きずにやり続ける謎…若者は飽きて大幅減

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

「『集める』『育てる』『戦う』というシンプルなゲーム構成で、そのなかでも『集める』ために一定距離を歩かなくてはいけないという設定は、ミドル世代がそれまで親しんだゲームには少なかった要素であったと思われます。それが新鮮だったのでしょう。また、『ポケモンGO』で初めてスマホゲームに接した人がこの世代では多かったのではないでしょうか。この層がなぜ若者のように飽きずに続けているのかを分析すると、彼らは若者と違って新たにほかのゲームのルールを覚えることを億劫であると感じている面があるからかもしれません。また、世代的にリリースされているポケモンのキャラクターへの親和性から愛着を感じているのでしょう。また、健康のためのウォーキングなどのお伴に『ポケモンGO』を利用するなど複合的な要素もある。そのため類似ゲームにブランド・スイッチ(乗り換える)するという選択肢が生まれにくいのだと思われます。そういった観点から眺めると、『ポケモンGO』のミドル層固定ユーザー数の推移は、しばらくは大きく変わらないのではないでしょうか」(有馬氏)

ピコ太郎同様、海外評価を重視する日本人

 そして、ほかのゲームと違って、「ポケモンGO」が配信開始の段階でミドル層を取り込めた要因を有馬氏は次のように分析する。

「『ポケモンGO』は当初は欧米など海外でサービスが開始され、その後、逆輸入のようなかたちで日本に上陸しました。国内で配信される前に、海外での老若男女の盛り上がりの様子がメディアでも大々的に取り上げられていました。それも功を奏して、国内でも導入時に非常な注目を集めました。この展開の仕方がミドル層にも『話題になっているから自分もやってみよう』という心理を働かせたわけです。これがもし日本で先行配信されていたら、若者間だけでのひとつのゲームとして終息してしまった可能性は十分にあります」

 さらに、タイムリーなネタでも同様のケースが見られるという。

「最近の話題でいえばピコ太郎のYouTube動画が大ブレイクしましたが、これも同じく海外アーティストであるジャスティン・ビーバーがお気に入りとしてツイートしてから世界で注目されるようになり、時間差で日本でも話題とされました。アイドルユニットのBABY METALも海外発信のアーティストとして逆輸入的に日本でも認知度が上がったいい例ですね。よきにしろ悪しきにしろ、世界で認められているものには注目してみよう、という傾向が日本の国民性には伺われるのではないでしょうか」(同)

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