消費者の倹約志向の高まりを背景に、ファミリーレストラン各社は低価格帯のメニューを充実させることで客足をつかもうとしている。特に、ファミレス業界のなかでもひたむきに低価格路線を突き進んできたサイゼリヤは、このところ好調続きだ。
サイゼリヤは本格的なイタリア料理を驚きの低価格で味わえる大人気レストランチェーン。ランチタイムやディナータイムなど、どの時間帯でも多くの客が食事を楽しんでいる。
低価格かつ美味しい食事を提供し続けるのは簡単なことではないが、サイゼリヤは一体どのようにして価格と質の両立を図っているのだろうか。
利用客はコスパの高さに大満足
まず、筆者が取材したサイゼリヤ利用者の声をご紹介しよう。
「お金がないときでもお腹いっぱい食べられるので重宝してます。定番はやっぱり『ミラノ風ドリア』。熱々のミートソースがかかったドリアは何度食べても飽きがこない味。それがたったの299円で食べられるなんてありがたい。ちょっと贅沢したいときは卵をトッピングしたり、プラスでパスタを頼んだり。それでも1000円を超すことはほとんどないので、コスパもクオリティも文句なしです」(20代男性)
「パスタを食べたいと思ったときによく利用します。特に好きなのが『パルマ風スパゲッティ』。パンチェッタとトマトのシンプルなパスタなんですが、味は本格的なイタリアンレストランに引けを取らないと思います。量も私にはちょうどいいし、値段も他で食べる金額の半分ぐらいで済むので、浮いた食事代を別の出費に回せるのが嬉しいですね」(30代女性)
「料理がろくにできないのでほぼ毎日外食をしてるんですが、さすがに給料日前になると金欠になります。そんなときに決まってお世話になるのがサイゼリヤ。ハンバーグでもサイゼリヤで食べると399円、ライスをつけても計600円もしないんですよ。しかもそんなに安いのに目玉焼きやポテトまで付いてくる親切ぶり。サイゼリヤは金欠の学生や節約志向の強いサラリーマンの味方です」(30代男性)
サイゼリヤに訪れるのは若者層に限らない。60代の女性は語る。
「本場のイタリア人が絶賛したという話を聞いて、どんなものだろうと試しに行ってみたらすっかり常連になってしまいました。それまではどうせファミリーレストランだから味も大したことないだろうと思っていたんですが、実際に食べてみて思い違いだったと反省。今はファミレスでもこんなに安くて美味しい料理が食べられるんですね。最近は昼間から100円ワインを飲んでくつろいでいます」(60代女性)