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「もともとトヨタは、米国に多額の投資を実行する計画だった」(トヨタ関係者)
実際、トヨタは2016年に米国、カナダ、メキシコにおいての3250億円の設備投資を行っている。5年間に1.1兆円との計画はインパクトがあるようにみえるが、年平均にすれば2500億円で、極端に増やしているわけではない。
トランプ氏が、メキシコ工場を撤回したフォードや、米国への投資と追加雇用を表明したFCAに対して「ありがとう」と謝意を表明したが、トヨタに対しては何もコメントしていないのは、こうしたカラクリを感じ取っているためかもしれない。メキシコに工場を持つ日産自動車は「NAFTAが変更されることになれば対応する」(カルロス・ゴーン社長)とし、ホンダも「メキシコでの生産を見直す予定はない」(八郷隆弘社長)と、トランプ氏の恫喝に恐れをなして対応したトヨタと一線を画す。
「日産やホンダは、仮にNAFTAが見直しとなって関税が課せられることになったら、メキシコから他の国へ輸出する道を考えるが、その代わりに米国に工場を新設する考えはない」(全国紙記者)
1月20日に大統領に就任したトランプ氏が実際にどんな通商政策をとるのか、そしてトヨタがどう対応していくのか。自動車業界は固唾を呑んで見守っている。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
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