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岩手の超短いローカル鉄道、なぜ「あり得ない」毎年黒字?斬新&ありがたすぎるサービス連発

文=編集部
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岩手の超短いローカル鉄道、なぜ「あり得ない」毎年黒字?斬新&ありがたすぎるサービス連発の画像1「IGRいわて銀河鉄道」

 2月初旬、岩手を取材した際に、第三セクターの「IGRいわて銀河鉄道」(以下IGR)を利用する機会があった。午後1時過ぎ、盛岡発八戸行きの普通列車に乗り込んだ。盛岡から目時駅までがIGR、その先は青い森鉄道である。IGRは岩手県などが出資する第三セクター。東北新幹線の盛岡―八戸間の開業に伴い、JR東日本から経営分離された盛岡―目時間を引き継いで開業した、岩手県の県北部を走る典型的なローカル線である。

 期末試験の時期なのだろうか、高校生の客が多い。向かい合わせのシートには買い物帰りか病院帰りか定かではないが、60~70代の女性が座り菓子を食べている。発車時には座席はほぼ埋まり、立っている客が多くなってきた。第三セクターのローカル線とは思えない光景である。

 高校生のにぎやかな話し声が弾むなか、4分で次の駅「青山」に着く。2015年、この青山駅に新しい改札口が誕生し、IGRは本社をここに移転した。新たな改札口「青山南口」には、地産地消レストランや地産地消ショップなどを設け、地域活性化の拠点とした。

 盛岡から4つ目の滝沢駅でカジュアルな姿の若者が多く降り立った。周辺にある岩手県立大学や盛岡大学の学生たちとみられる。また、この駅には「ちょい飲み客」などをターゲットにした串焼きの店がある。次の駅は、石川啄木のふるさととして知られる渋民だ。

 スキー場のある奥中山高原駅に差しかかると、さすがに雪が深い。その先、一戸駅で盛岡から乗っていた最後の高校生の姉妹が降りていった。新幹線駅のある二戸駅まで乗ると、営業キロ70.8キロ、所要時間1時間9分だが、運賃は1950円とJRに比べてかなり高い。第三セクターの鉄道であることを実感させられる。

営業収入は前年度比1億3900万円増

 割高な鉄道であるにもかかわらず、驚くべきことにIGRは6年連続で黒字という好成績を達成しようとしている。16年度(16年4月~17年3月)の営業収入は前年度比1億3900万円増の44億2900万円、純利益は前年度比6300万円減の4500万円の見通し。寝台特急「北斗星」「カシオペア」の運行終了に伴う旅客運輸収入の落ち込みが黒字幅縮小の要因となったが、駅のコンビニエンスストアなどの関連事業や通勤定期客の利用が好調で、営業収入を押し上げた点が注目される。

BusinessJournal編集部

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