「振り込め詐欺撃退」機能付き電話が大ヒット…その画期的かつ驚愕の機能とは?
電話の思い出
我々お父さん世代が、平成生まれの若者たちと飲んだときに必ず出るトピックのひとつが、電話。
「おれたちが若い頃は、携帯電話なんてなかったから、好きな女の子に電話する際は本当に緊張したものだ。それに比べて、携帯やLINEのある今の若者たちは、さぞかし恋愛がしやすいことだろう」
こうした話を、若者相手にした記憶はないだろうか。もしあれば、立派な昭和世代だ。
相手のお父さんが出たときにどう対応するか(あるいはガチャンと切るか)、相手の家の電話はどこにあるのか(居間か、廊下か、玄関か)など、徹底的にシミュレーションしながら電話をかけたものである。
かつては、ひとり暮らしを始めて最初にすることが、電電公社あるいはNTTへの電話線の申し込みだった。お父さん世代が青春を謳歌していた1980~90年代は、電話はコミュニケーション手段として非常に重要な手段であった。
当時の恋愛ドラマを思い返してみても、固定電話であるがゆえに生じた「行き違いの恋愛」に胸をときめかせたことも多かった。流行した歌謡曲にも、今となっては死語に近い「ダイヤル」や「電話帳」という言葉が頻繁に出てきたものだ。つまり、我々お父さん世代の青春時代の思い出における固定電話の存在は、大きかったのだ。
固定電話の衰退
かつて「電話線を引く」と表現していた固定電話は、一家に1台が常識だったが、その常識が変わってきているという。
総務省が発表した、世帯主年代別の固定電話の保有状況をみると、若い世代ほど固定電話の保有率が低いことがわかる。世帯主が60歳以上の家庭では、9割以上固定電話を保有しているのに対し、30代では50%、20代に至っては12%と若い世代ほど、固定電話の保有率は低くなる。
つまり、20~30代の場合、結婚して所帯を持っても固定電話を引くことはせずに、すべて携帯電話で済ませているということがわかる。情報の伝達スタイルが世帯単位から個人単位へとシフトし、家庭に据え置かれる固定電話の役割が変わってきているようだ。
それでも家電メーカーは、いわゆる固定電話機を製造し続けるが、おのずとターゲットは60代以上の高齢者となる。実際、固定電話購入者の7割は60代以上というデータもある。
そのような背景もあり、各電機メーカーは高齢者向けに文字表示の大きな機器や、わかりやすさを売りにした機器で勝負を挑んでいる。
そんななか、シャープが開発した「詐欺被害強化機能」を搭載した固定電話機(JD-AT81)が大ヒットしているという。