コンビニエンスストア大手のファミリーマートの持ち株会社ユニー・ファミリーマートホールディングス(以下、ユニー・ファミマHD)の2018年2月期の第1四半期決算が発表された。営業収益は3103億円と前年同期の202%増、営業利益は125億円と前年同期比85%増の大幅増収増益となっている。
営業収益はコンビニ業界最大手のセブンイレブンの持ち株会社セブン&アイ・ホールディングス(HD)の1兆4680億円に遠く及ばないものの、これまで業界2位だったローソンの1592億円の約2倍。前年同期比で見ると、以下のとおりさらにその差が顕著に表れ、飛躍的な急成長を遂げていることになる。
※左から社名(営業収益、営業利益)
・セブン&アイHD(5.3%増、3.3%増)
・ローソン(6.9%増、6.9%減)
コンビニ業界3位だったファミリーマートは昨年9月1日にユニーグループ・ホールディングス(GHD)を吸収合併し、ユニー・ファミマHDとして生まれ変わった。店舗数では業界トップのセブンイレブンに次いで業界2位。しかし、統合会社は店舗の統廃合や看板の掛け替えなどで1年目は巨額の損失を計上し、大幅な減収になるのが一般的だ。この期間にサークルKサンクスからファミマに看板を掛け替えたのは754店舗、閉鎖は90店舗、ファミマも106店出店して109店閉店している。
コンビニは、少なくとも新規出店で3000万円、看板の掛け替えでも1000万円はかかるといわれている。また、店舗閉鎖は契約の中途解約などをした場合は、半年~1年分の家賃を地主に払ったり更地で戻すことが求められるため、数百万円から数千万円の費用がかかるといわれている。
トリック
そんなユニー・ファミマHDが、なぜ統合から半年足らずでこれだけの高収益を上げることができたのか。
「これには大きなトリックがあります。今期の決算数字と比較している前期の決算は、旧ファミマの業績だけ。旧ユニーGHDの決算が含まれていないから、突然増収増益になったように見えるのです。旧ユニーGHD実績を単純合算して比較すると、営業収益は11億円(0.4%)の減収、営業収益は56億円(31%)の減益となっています」(流通業界関係者)