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成城石井、最大規模の新業態店が素晴らしすぎる…「レストラン+食料品店」型が感動的!

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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成城石井、最大規模の新業態店が素晴らしすぎる…「レストラン+食料品店」型が感動的!の画像1「成城石井 トリエ京王調布店」(成城石井 公式HPより)

 高級スーパーとして知られる「成城石井」が、注目の店舗をオープンした。

 京王線調布駅(東京都調布市)の周囲で9月29日に開業した商業施設「トリエ京王調布」のテナントのひとつに、「成城石井 トリエ京王調布店」がある。同店は、成城石井の国内157店舗目、都内では75店舗目だ。

 同店は、成城石井で最大の売り場面積を誇る。その面積は198.8坪で、旗艦店という位置付けの店舗だ。青果や精肉、鮮魚、総菜、菓子など1万種類を超える商品を取り揃える。筆者はオープン当日に訪れたが、品揃えに関しては、筆者が知る成城石井のどの店舗よりも圧倒的に豊富だった。

 成城石井は、バイヤーが世界中で探して見つけた、ユニークで高品質な商品を取り揃えている。都内を中心に展開する高級スーパーとしてしられ、多くの芸能人も利用する。

 そんな成城石井がトリエ京王調布に同社最大規模となる旗艦店を出店したわけだが、目玉となるトピックは、また別にある。それは、「グローサラント」型として展開する飲食スペース「成城石井スタイル デリ&カフェ」だ。食料品売り場に併設するかたちで展開している。

 グローサラントとは、食料品店の店内で食事を提供する業態のことで、食料品店を意味する「グローサリー・ストア」と「レストラン」を掛け合わせた造語だ。店は主に食料品売り場で提供している食材を使って料理をつくり、客は併設の飲食スペースで飲食を楽しむことができる。

「デリ&カフェ」では18.1坪の飲食スペースに約40席を備え、ハンバーガーやパスタ、ピザなどの料理を提供する。コーヒーやソフトドリンクもあるのでカフェとしても利用でき、ビールやワインなど酒類もあるので「ちょい飲み」も楽しめる。

 筆者が試したメニューのひとつに、黒毛和牛のハンバーガーがある。黒毛和牛を100%使用したパティ2枚とトリュフ、トマト、タマネギ、レタスなどをバンズで挟んだものだ。新鮮で厳選された食材を使用した、できたてのハンバーガーということもあり、非常においしかった。

 グローサラントの魅力は、料理を楽しめるだけにとどまらない。料理に使われている食材を隣接する食料品売り場で買うことができる点も魅力となっている。客は、使われている食材を購入して、食べた料理を自宅で再現することができるのだ。

 トリエ京王調布店の食料品売り場では、「デリ&カフェ」で使われている食材を探しやすいように、メニューに使われている食材である旨を商品のプライスカードに記載している。また、客が自宅で再現しやすいよう、一部のメニューについて、食材や調理方法が記載されたシェフ監修のレシピカードを用意している。

グローサラントが拡大の兆し

 グローサラントの本場はアメリカになるだろう。アメリカでは第二次世界大戦後あたりから核家族化が顕著となり共働き世帯も増えていったため、時間の節約が生活者の大きな課題となっていた。そうした時代の要請に応えるかたちでファストフードが発達していったが、その一方で、ヘルシーでおいしい料理を手軽に楽しみたいというニーズも高まっていった。

 そうしたなか、食料品店はサンドイッチやサラダなど、簡単な調理で済むデリ部門を拡大することでニーズに応えた。やがて食材や調理法にもこだわるようになり、おいしさも追求するようになっていった。そして、店内で食べられるように「イートイン」が発達した。さらに、消費者が自宅で料理を再現するための食材を食料品店で揃えることができるというコンセプトが加わり、グローサラントが誕生したのだ。

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