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積水ハウスが抱える爆弾…詐欺事件の調査報告書の一部を隠蔽か、阿部会長に責任逃れの疑い

文=編集部
積水ハウスが抱える爆弾…詐欺事件の調査報告書の一部を隠蔽か、阿部会長に責任逃れの疑いの画像1積水ハウスの本社がある梅田スカイビル(「wikipedia」より)

 派閥抗争に明け暮れる企業のトップ人事は難航するのが常だ。戸建て住宅の最大手、積水ハウスは、4月26日に定時株主総会を開催する。

 東京・五反田のマンション用地詐欺事件をきっかけに、会長の和田勇氏が解任されるクーデターが起きた。闘いに勝利した阿部俊則・新会長(前社長)、仲井嘉浩・新社長(前常務執行役員)を中心とする新経営体制による初の株主総会だ。

 総会では、取締役11人の選任議案が諮られる。1月のクーデターにより、2月1日付で取締役相談役に退いた和田氏が取締役を外れる。和田氏支持派は、伊久哲夫・取締役副社長をはじめ常任監査役など3人がすべて退任し、新たに常任監査役2人を選ぶ。

 これに対して、阿部氏を支持した内田隆・取締役副社長執行役員は代表取締役副社長に昇進する。新任取締役は2人で、社外からは吉丸由紀子・ニフコ執行役員が加わり、社外取締役は3人になる。

 この人事案に議決権行使助言会社が噛みついた。米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)と米グラスルイスの2社は、阿部会長と稲垣士郎副会長(前副社長)の取締役選任に反対を推奨した。マンション用地の詐欺事件をめぐる情報開示の姿勢を問題視したためだ。

 グラスルイスは、パナソニックで顧問を務めた鶴田龍一氏を社外取締役に選ぶことにも、「独立性が十分でない」として反対を推奨した。

 ISSの反対推奨に呼応する投資家が出てくる可能性は十分にある。会社側は、人事案の決議に必要な過半数は取れないとみているが、不確定要素が増えたことは間違いない。

BusinessJournal編集部

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