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国内旅行に行く感覚で、サクッと海外旅行に行ける「LCC活用法」

文・取材=A4studio
国内旅行に行く感覚で、サクッと海外旅行に行ける「LCC活用法」の画像1「Gettyimages」より

 3月22日、格安航空会社(LCC)国内2位でANAホールディングス(以下ANA)の連結子会社ピーチ・アビエーションと、同3位でANA完全子会社バニラ・エアが、2019年度末をメドに統合することが発表された。ブランドはピーチに一本化されるという。

 統合することで売上高は単純合算で760億円規模となり、LCC国内首位のジェットスター・ジャパンを抜くことになるが、ピーチの井上慎一氏CEOは記者会見で「海外LCCなどとの激しい競争に生き残るための選択だ」と述べている。国内首位に躍り出るからといって安泰ではなく、競合相手は海外のLCCと考えているということだ。

 2年後に東京五輪を控えた今、海外から多くの訪日客が飛行機を利用することが見込まれている。世界中でLCCがスタンダードとなりつつある今、国内LCCが世界で生き抜くために、一体何が必要なのだろうか。今回は『天草エアラインの奇跡。赤字企業を5年連続の黒字にさせた変革力!』(集英社)の著者であり、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏に話を聞いた。

統合によってアジアLCCの3番手の座を狙うピーチ

 まず、今回のピーチとバニラの統合の狙いはどこにあるのか。

「今回の統合には『アジアのリーディングLCCを目指していく』という大きな発想があります。どういうことかというと、現在アジアのなかでも東南アジアやオセアニア地域では、世界的に大きなLCCであるジェットスターグループとエアアジアグループという2社が強いのですが、日本や韓国など、いわゆる極東地域ではずば抜けて強いLCCがまだ確立されていません。ピーチは統合することにより極東で強いLCC、引いてはジェットスターやエアアジアに次ぐ、アジア3番手のLCCのポジションを獲得しようとしているわけです。

 もともとピーチは海外でも知名度が高く、国際線の外国人比率が7割くらい占めているのですが、大阪の関西空港を拠点としているLCCのため、成田など首都圏へのルートが少ないことが弱みでした。一方バニラは成田を拠点としていますが、ピーチほど海外での知名度が高くありません。こういった背景があり、実際日本に来ようと思ってもピーチでは成田に行けず、またバニラは存在を知られていないため、けっきょく他のLCCを使うといった外国人観光客が少なくなかったようです。そんなピーチとバニラが統合することによって、ピーチの知名度を持ちながら、首都圏と近畿圏を完全にカバーできるようになります。また現在は札幌、仙台、沖縄の拠点化を進めているので、訪日客が成田や関空から地方に行ったり、逆に日本全国からLCCでアジア各国に行けるようになります」(鳥海氏)

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