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日本のLCCは海外に比べ10年ほどの遅れを取っているものの、状況的に“万事が厳しい”というわけでもありません。海外ではLCCの飛行機は中古機が使われることが多いのですが、日本のLCCは基本的にすべて新品の機体を使用しています。また、日本の整備基準は厳しいので、安全性に関しては海外の競合他社よりも高いでしょう。最近ではサイトなども含めて利用しやすくなってきていますし、成田空港も東京五輪に向けて発着時間を1時間伸ばす予定となっているので、国内LCCの伸びしろは十分あると考えています」(同)
LCCを使い慣れれば、高速バスや新幹線に乗る感覚で海外へ
最後に、航空・旅行アナリストとして実際にLCCを使用する機会の多い鳥海氏に、LCCの選び方や、代表的な国内LCCのサービスについて話を聞いた。
「やはり自分が利用したい路線の料金やサービスを調べてチョイスしていく、というのが基本でしょうか。もちろん絶対に遅延ができないときなどはANAやJALといった大手を使うほうがいいでしょうが、気軽に遊びに行ったり、頻繁に訪れる場所へ行くときなどには、LCCは最適です。私はよく『LCCを使えば国内旅行の感覚で海外へ行ける』と言っているのですが、ちょっと台湾行ってくる、香港行ってくる、といったことができるようになったのはLCCのおかげでしょう。
国内LCCでいうと、ジェットスター・ジャパンはオリジナリティのあるサービスは少ないですが、便数が多く、遅れにくい点がメリットです。また、モバイル搭乗券をスマホにダウンロードできるのも使い勝手がいいです。荷物が少なければチェックインなしでそのまま搭乗できてしまうので、それこそ高速バスや新幹線ぐらいの感覚で気軽に乗ることができます。国内LCCもまだ少々遅延が多いのがネックでしょうか。やはり搭乗客にとって遅れない、ということは料金の次に大事なことなので、運航品質を高めることも今後勝ち残るためには必要なのではないかと思います」(同)
スタートダッシュでは世界に遅れを取ったが、追い抜かさんばかりに進化を遂げている国内LCC。あと数年もすれば、「ちょっとマーライオン見てくる」と気軽に飛行機に飛び乗る時代がくるのかもしれない。
(文・取材=A4studio)
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