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中国レノボ、日本PC市場を掌握…かつて世界を席巻した日本のPC御三家、事実上消滅か

2018.06.19 2018.06.19 00:11 企業

中国のレノボが日本国内で4割強のシェアを握る

 PC市場の縮小で国内メーカーの再編に拍車がかかった。

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は5月2日、事業を開始した。富士通は17年11月、中国のレノボグループとPC事業の統合で合意。レノボが富士通のPC子会社FCCLに過半の出資をして、合弁事業に移行した。

 FCCLの新しい出資比率はレノボが51%、富士通が44%、日本政策投資銀行が5%。富士通はFCCL株のレノボへの譲渡で280億円を得た。

 レノボが11年に統合したNECとの合弁会社、NECレノボ・ジャパングループとは別に事業を展開する。この結果、レノボは日本でパソコンの子会社2つと工場2つを持った。

 IT専門の調査会社、MM総研のまとめによると、17年度(17年4月~18年3月)の国内パソコン出荷台数は前年度比2.2%増の1033万台、出荷金額は同5%増の9141億円だった。Windows 7搭載のパソコンのサポートシステム終了に伴う買い替え需要で、法人向け出荷台数が回復した。

 流通ルート別では個人向けが同4.3%減の379.8万台、法人向けが同6.5%増の654.1万台。法人需要が下支えする格好だ。

 メーカー別シェアではNECレノボが26.0%でトップ。以下、富士通(17.8%)、日本HP(14.0%)、DELL(13.7%)、東芝(9.8%)と続く。東芝が1人負け状態で、日本HPとDELLが東芝のシェアを奪った格好だ。

 富士通とレノボのPC統合で、レノボグルーブが国内で43.8%という圧倒的なシェアを握る。世界のPC市場は中国のレノボグループ、米HP、米DELLの3強に集約された。日本のPC御三家といわれたNEC、富士通、東芝は競争の表舞台から姿を消した。

【パソコン国内シェア(2017年度)】(出荷台数ベース、カッコ内は2016年度)
NECレノボ・ジャパングループ…26.0%(25.6%)
富士通…17.8%(18.1%)
日本HP…14.0%(13.0%)
DELL…13.7%(12.9%)
東芝…9.8%(11.9%)
アップル…5.5%(5.4%)
ASUS…2.3%(2.8%)
その他…10.9%(10.3%)
(出所:MM総研)

(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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