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「こちらも学生が集まらず、一時期は中国人留学生が60%を占めていましたが、入国管理局の資格審査が厳格化したことで、募集戦略が難しくなりました。そこで、ゴルフ場を買収してプロゴルファーを育成するゴルフ文化コースの学部を創設したのですが、資金面は改善せず、05年に民事再生法の適用に至りました」(同)
その後、塩見ホールディングスをスポンサーに経営再建を進め、06年に再生手続きを終結させる。しかし、以降も学生数の不足に悩まされ、大幅な赤字を計上。11年3月期は売上高7億7800万円に対して3億8000万円の赤字となっている。結局、塩見ホールディングスの経営悪化もあり、こおりやま東都学園に事業を譲渡するかたちで債務の圧縮を図っている。
私立大学がスポンサー探しに奔走するケースもあるなかで、「今後は地域企業との連携を強化する方向に向かうのでは」と佐藤氏は推測する。
「地方大学の今後を支えるひとつは地場企業だと思います。経営が厳しい地方大学は、今後アカデミックな取り組みを充実させていくのは難しいのではないでしょうか。では、『地方大学の存在意義とは何か』と問われれば、『地域の発展への貢献』も選択肢のひとつです。地場企業がスポンサーとなるケースが増える可能性があります。地域ぐるみで大学を存続させる代わりに、長期インターンシップなどで学生の囲い込みが進むかもしれません。学生が地域の企業に就職することにより、人材の流出が防がれるという図式です」(同)
苦境の私立大学が生き残るためには、地域との連携もひとつのカギとなりそうだ。
(文=長井雄一朗/ライター)
【※1】
私立大学を運営する全国の大学法人544法人のうち、企業概要データベース「COSMOS2」に収録されている大学法人498法人(短期大学法人を除く)を対象に、2014~2016 年度決算の年収入高、損益、地域別の動向などについて分析。
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