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スタバ、急成長に曲がり角か…外食、コンビニ、コメダら競合台頭で過熱する喫茶市場

 コンビニ業界でも、セブン-イレブンが今年1月から順次導入を開始していた淹れ立てコーヒーの「セブンカフェ」導入店を今年8月末までに国内全店(約1万5000店)に導入、同社持ち株会社のセブン&アイもイトーヨーカ堂をはじめ傘下のスーパーへ導入する計画を明らかにしている。

 このほか、ローソンは店内カフェを来年2月までに国内全店の半分(約5600店)、ファミリーマートは来秋までに国内全店(約9600店)に導入する計画を打ち出している。

 ファミレス大手もコンビニ同様の動きを示している。

 加えて、フルサービスの喫茶チェーンも復活の様相を見せている。その代表格が、名古屋から興ったコメダ珈琲店だ。この1~2年、スタバに勝るとも劣るとはいえない伸びを見せている同店は「ストップ・ザ・スタバ」の存在になりつつある。68年に個人経営のフルサービス喫茶として開店した同店は、93年に株式会社コメダを設立して全国チェーン展開を開始。13年5月末現在、25都道府県に497店を展開、コーヒーチェーンとしてはタリーズに次ぐ4位に成長している。

 同社の成長要因は、セルフ式コーヒーチェーンにない「居心地の良さ」と充実した軽食メニューといわれる。

 客層もセルフ式コーヒーチェーンとは相当異なっている。客の大半が人口層の厚い団塊の世代以上。大半が現役を引退して悠々自適の生活を楽しんでいる世代だ。

 彼らはかつての「純喫茶世代」でもある。セルフ式コーヒーチェーンに追われて廃れた純喫茶が郊外の自宅近くに「フルサービス喫茶」の装いで復活、この世代の郷愁を誘っている側面もあるようだ。

 これまではセルフ式かフルサービスかの単純な2項対立的な構造だったコーヒーチェーンの競争環境が、昨年あたりから異業種カフェの台頭やフルサービス喫茶の復活により複雑な構造に一変。セルフ式コーヒーチェーンの魅力が大きく低下している。

 つまり、消費者の最寄り性では、セルフ式コーヒーチェーンはハンバーガーチェーンやコンビニチェーンの数の足元にも及ばない。メニューの豊富さでは、セルフ式コーヒーチェーンのサイドメニュー(軽食)ではファミレスに敵わない。居心地の良さや快適さでは、フルサービス喫茶チェーンに負けてしまう。

 それでもスタバに成長の伸び代があるのだろうか?

●試される本当の成長力

 スタバの関根純CEO(最高経営責任者)は13年6月2日付日本経済新聞朝刊の取材に対して、コンビニ大手の店内カフェは「脅威に感じていない。1兆円規模のカフェ市場に比べコンビニの販売額は小さい」と余裕を示し、異業種カフェやフルサービス喫茶との差別化についても「これからは軽食にも注力する。特にデザートはコンビニに負けない品揃えで女性客を呼び込む」と自信たっぷり。あまり危機感は抱いていない様子だ。

 これに対して業界関係者は「これまでの成功体験に安住した楽観論に思える」と言い、スタバの危うさを次のように指摘している。

 スタバは「大都市のビジネス層」という畑で育ったブランド。この畑が飽和状態になっているのは客観的な事実。ならば、この畑で育ったブランドをファミリー層、郊外などの新しい畑に、いかにして移植するかが課題。「移植に失敗すればブランド崩壊の恐れもある。関根CEOには、その危機感が欠けている」と心配している。

 これから同社の本当の成長力が試されそうだ。
(文=福井 晋/フリーライター)

BusinessJournal編集部

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