タブレットPC「Surface」のヒットで、アップルのお株を奪うことに成功
「今回マイクロソフトが時価総額トップに立てた理由は、12年に発売されたタブレットPC・Surface(サーフェス)シリーズのヒットではないかと考えています。同社が今年1月に発表した19年度第2四半期の決算によると、Surfaceの売上高は18億6000万ドルで、前年同期比+39%という好調ぶりでした。
そんなSurfaceは、アメリカの調査会社J.D. パワーが17年4月に公開したタブレットPCの顧客満足度ランキングにて、1位を獲得しています。これは『総合満足度』『コスト』『使いやすさ』『パフォーマンス』『スタイルとデザイン』『機能性』という6項目に基づき、ユーザーが1000点満点で評価を下したもの。1位のSurfaceは855点で、アップルのiPadシリーズは849点で2位でした。
10年に登場したiPadは14年を境に売り上げが伸び悩んでおり、今年中には廉価版である新型iPad miniの投入が確実視されるほど低迷中です。一方、アップル以下のランキング結果はどうだったかというと、サムスンは847点で3位でしたが、LGやアマゾンは平均の841点を割っていますので、勝負にすらなっていません」(井上氏)
SurfaceとiPadのスコアは僅差に思えるが、もう少し細かく見てみると、SurfaceがiPadを上回った項目は「総合満足度」「スタイルとデザイン」「機能性」の3つだった。これを井上氏はどう分析するのか。
「恐らくマイクロソフトは、あくまでもソフトウェアメーカーであってハードウェアは不得意だと、“勝手に思われてきた”ことでしょう。しかしSurfaceは洗練されたデザインとなっており、さらにはプリインストールされているソフトウェアも使いやすいとくれば、iPadより多くの人がSurfaceを支持したというのは合点のいく話です。iPadはカスタマイズの自由度が高いのは確かですが、操作が直感的すぎるため、かえって不親切な感も否めないのではないでしょうか。
昨年10月にマイクロソフトは、Surface Pro 6やSurface Laptop 2といった新製品の説明会を日本で開きました。これらの本体カラーにはブラックが追加されていたものの、デザイン自体はそれまでのモデルを踏襲したものとなっており、さほど目新しくはありません。