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楽天、スポーツ事業の巨額赤字隠しか…ヴィッセル神戸、イニエスタ獲得の「金満経営」失敗

文=編集部
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楽天のスポーツ事業は赤字

 ヴィッセルが04年に設立された当時は、三木谷浩史氏個人の運営だった。三木谷氏の資産管理会社が全額出資し、運営会社はクリムゾンフットボールクラブという名称だった。

 14年12月、楽天が運営会社の全株式を取得し、社名を楽天ヴィッセル神戸に変更した。三木谷氏のポケットマネーから、楽天が運営資金を出す形態に変わった。スーパースターを次々と加入させたのも、会社の資金だからできる芸当だ。

 だが、巨額な資金を投じて選手をスカウトしたものの、優勝争いに加わわるどころか下位に沈んでいる。

 ヴィッセルは4月17日、ファン・マヌエル・リージョ監督との契約を解除した。リージョ氏は昨年10月に神戸の監督に就任したばかりだ。契約解除は監督自身の意向によるものだという。三木谷氏による現場介入の影響が囁かれている。「プライドの高いリージョ監督が、三木谷氏の現場介入に嫌気が差して退任したのではないか」(スポーツ紙記者)と取り沙汰されている。

 リージョ氏の前に監督を務めていた吉田孝行氏をワンポイントリリーフで監督に再登板させたが、チームは4~5月にかけて9連敗する泥沼状態。6月8日、ハンブルガーSVなどで監督経験があるトルステン・フィンク氏が新しい監督に就任したと発表した。だが、三木谷氏が先頭に立って「バルセロナ化」を進めてきた途中で、スペインでプレー・指導の経験のない監督を選んだことには疑問が残る。

 楽天はFCバルセロナのメインパートナーなっている。17年から21年まで、バルセロナのユニフォームの胸に「RAKUTEN」の文字を付ける。契約金は年間73億円、4年契約の総額は293億円と破格。世界最高額だ。

 楽天はサッカー、野球のほか、バスケットボール、テニスなどスポーツ事業を手がけている。楽天の18年12月期連結決算(国際会計基準)におけるコミュニケーションズ&スポーツ部門の売上収益は273億円(前年比31億円の増加)。だが、営業損益段階で55億円の赤字(赤字は同27億円の増加)で、赤字は膨れ上がっている。

 楽天はこれに危機感を持ったのか、19年1~3月期決算からセグメントを変更した。コミュニケーションズ&スポーツは「その他」に括られており、損益はわからないようになった。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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