セブン-イレブンは6月末時点の国内店舗数が2万1337店を超え、コンビニ業界店舗数第1位の座に就いているコンビニチェーンである。新型コロナウイルスの影響を吹き飛ばし、業績は回復傾向にある。今年の3月から5月にかけての月次営業情報を見ると、前年同月比で既存店の売上は100.8%、101.7%、102.6%と上昇傾向にあった。また客数は97.6%、99.1%、101.3%、客単価は103.3%、102.6%、101.3%となっており、好調を維持している。
そんなセブンは、厳しい暑さを吹き飛ばす多くの商品をラインナップさせており、「さすがセブン」と言わしめる高クオリティの商品が大多数なのだが、なかには「これは微妙……」と思われる商品もちらほら。そこで今回は“この夏、要注意なセブン商品?”を5品ピックアップしたので、紹介していきたい。
セブンプレミアム そうめん/213円(税込、以下同)
6月下旬にTwitterで話題になったイオンのプライベートブランドである「TOPVALU」の「つるりと滑らかなのどごし そうめん」。本品は「食べ切るのがしんどい」「麺が黄色くて無理」などさまざまな理由で“不味い”という烙印を押されてしまった乾麺なのだ。その流れでTwitter上では、他の企業が発売している「そうめん」はどんな味なのかについて議論が深まっているようである。
そんななか、セブンが発売している乾麺「セブンプレミアム そうめん」もTOPVALUに負けず劣らず、ネット上では賛否両論。「ぬめっとした舌触りで、コシが感じられない」「茹でるとき麺がくっついてしまったけど安いから説……」という批判が挙がっていた。
実食するため、商品の説明にある通り2分間麺を茹でてみたところ、ネットの評判通り麺が高確率で絡まってしまい、その都度箸でほぐさなければならなかった。茹で終わり後も、かなりドロッとした状態だったので、冷水でしっかりとぬめりを取る必要があった。
「めんつゆ」につけてすすってみると、ぬめりを取ったにもかかわらず、口の中にまとわりつくような舌触りが目立つ。噛むとブチブチと切れてしまうため、コシもさほど感じられない。麺の好みは人それぞれだとは思うが、「そうめん」らしいなめらかな食感と強いコシを味わいたい人には不向きな商品だといえよう。
糖質を控えたシナモンロール/140円
パン生地を長方形に伸ばし、シナモンを振りかけ、ロール状に巻いたシナモンロール。香ばしいバターの匂いが香る絶妙な甘さが人気のシナモンロールだが、その製法から糖質やカロリーは若干高め。そこで、糖質を抑えてシナモンロールを食べたい人向けに発売されたのがセブンの「糖質を控えたシナモンロール」だ。
いわゆる、ロカボ(1食あたりの糖質を20~40gに抑える健康的な食事法)商品といわれるパンであり、その糖質は14.0gとシナモンロールにしてはやや低めである。しかし、肝心のお味はというと、SNS上では厳しいコメントが寄せられることも少なくない。「あんまり美味しくない、糖質必要だわ」「糖質カットした分、シナモンを強く感じすぎてしまう」といったコメントが多く見られた。
実食してみたところ、シナモンの香りは強いものの、甘味は控えめであり、さほど味は感じられなかった。例えるなら、小麦の香りも味もないパンを食べているようであり、もう一度食べたいと思わせるリピート欲を感じさせない味わいであった。
中華蕎麦とみ田 純粋豚骨らぁめん/300円
「中華蕎麦とみ田」は、濃厚魚介豚骨スープとうどん並みの極太麺が特徴的な人気のラーメン店。セブン-イレブンは頻繁にとみ田とコラボ商品を出しており、なかでも「とみ田監修デカ豚ラーメン ニンニク増し」(680円)は有名でファンからの人気も高い一品である。
しかし、このたび新発売した「中華蕎麦とみ田 純粋豚骨らぁめん」の評価はあまり良くないようだ。SNS上では、「とろみと塩味が強いが、豚骨感と旨味が薄い」「特製オイルを入れた途端に……」と“これじゃない感”を指摘する声が多数寄せられていた。
本品は、大量のポークエキスに豚頭エキス、ラードを加えた超濃密豚骨スープが売りのカップ麺。実際に食べてみると、たしかにドロドロとした濃厚なスープとなっており、つるつるの麺との相性も良く、非常に食べ応えのある仕上がりとなっていた。しかし、SNS上のコメントのとおり、豚骨のガツンと来る旨味が少なく、全体的なパンチに欠けているようにも感じた。
また付属の山椒フレーバーオイルも曲者であり、入れるだけで山椒の風味が豚骨に勝ってしまうため、別商品のような味わいになってしまう。味変をする際には要注意だろう。
海老天二八そば 3本入/572円
海老天がなんと3本も入った「海老天二八そば 3本入」。非常に食べ応えがありそうな贅沢な仕様とはなってはいるが、残念だと感じる部分が少なくなかった。
まず商品名にもなっている海老天だが、本品は電子レンジで温めて食べる商品なので、温める途中に湯気で海老天が湿気ってしまい、食べ始める頃にはすっかりふにゃふにゃになってしまった……。また、つゆの上にのせているうちに衣がさらにふやけて、箸で触るだけでボロボロと崩れやすくなってしまう。そして、何より肝心の海老自体がかなり小さく、海老を食べているという感覚は低めであった。
つゆは出汁がしっかりときいた深い味わいで、そば自体も本品がチルド商品であることを考えれば、十分にコシがあると言える出来であった。そのため、そば単品としては食べられるが、海老天そばとしては微妙というのが本品の評価となるだろう。
ペペロンチーノ スパゲッティ/257円
にんにく、鷹の爪、パスタがあれば作れてしまうペペロンチーノは、自炊経験のある方ならかなりの割合の人が作ったことのある料理ではないだろうか。料理初心者でも簡単に作れ、なおかつ材料費が安いので“貧乏&お手軽パスタ”としてコンセンサスを得ている料理であろう。
そのため「ペペロンチーノ スパゲッティ」のような商品は、コスパが悪いと感じる人が多いかもしれない。本品は調理済みの冷凍商品であり、500wの電子レンジで約5分加熱して食べることができるのだが、具材はベーコンがメインというシンプルなペペロンチーノのため、257円という価格も割高に感じてしまう。
味自体は、にんにくの香りがきいていて、ベーコンの旨味もしっかりと感じられる仕上がり。パスタもモチモチとした食感で、具材との相性も抜群であった。商品の味は問題ないのだが、ペペロンチーノという料理の特徴を考えると、コスパ的にやや残念に思う商品であった。
セブン-イレブンの商品は、基本的に高クオリティのものが多いが、なかには全体的には良いのに細かい部分で惜しいと感じるものも少なくない。本記事がセブンの商品選びの参考になれば幸いである。
※情報はすべて7月1日時点のものです。