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1泊14万円…松本人志さん宿泊のリッツ・カールトン大阪の「極上サービス」

文=Business Journal編集部、協力=瀧澤信秋/ホテル評論家
1泊14万円…松本人志さん宿泊のリッツ・カールトン大阪の「極上サービス」の画像1
ザ・リッツ・カールトン大阪(「Wikipedia」より/663highland

 報道によって名誉を棄損されたとして、記事を掲載した「週刊文春」の発行元・文藝春秋に対し損害賠償(請求額は約5億5000万円)と謝罪広告の掲載などを求めて22日に東京地裁に提訴したタレントの松本人志さん。25日には「FRIDAY DIGITAL」が新情報を報じたが、松本さんが飲み会を行った場所である「ザ・リッツ・カールトン大阪」のスイートルームが一泊10~14万円台にもおよぶことが一部で話題を呼んでいる。また、スイートルームでの飲み会の様子を収めた写真に写り込んだテーブル上の食事が、スナック菓子の「じゃがりこ」(カルビー)や菓子パン、おかき、6Pチーズしかなく「あまりにお粗末」であることから、「うどん」が3410円もするなどルームサービスの高額さもクローズアップされる事態になっている。外資系高級ホテルとして知られるザ・リッツ・カールトンとはどのようなホテルなのか。また、果たして一泊10~14万円台に見合う価値があるといえるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

「マンダリン オリエンタル 東京」「ザ・ペニンシュラ東京」と並び「新々御三家」の一つである「ザ・リッツ・カールトン東京」を擁するザ・リッツ・カールトン。世界的なホテルチェーン運営会社「マリオット・インターナショナル」が手がける高級ホテルブランドの一つであるザ・リッツ・カールトンの日本進出第一号が「ザ・リッツ・カールトン大阪」だ。1997年に大阪・梅田に開業し、経営主体は阪急阪神グループの阪神ホテルシステムズ。2007年には東京・六本木の「東京ミッドタウン」内に「ザ・リッツ・カールトン東京」が開業し東京進出を果たした際には大きな話題を呼んだ。現在、ザ・リッツ・カールトンを冠するホテルとして、国内には福岡、沖縄、京都、栃木を含め計6軒を展開している。ザ・リッツ・カールトン大阪に宿泊した経験のあるホテル評論家の瀧澤信秋氏はいう。

「このブランドの特徴を表すワードに『ミスティーク(神秘性)』があります。お客に与える驚きと感動を生み出すサービスの考え方ともいえるでしょう。たとえば、リッツ・カールトンをよく利用する客であれば、どの国のホテルに宿泊しても客室が好みの室温に設定され、好みのブランドのミネラルウォーターが用意されているという逸話もあるほど。全従業員が共有するリッツ・カールトン独自の行動指針『クレド』の存在もよく知られています。

 また、大阪のリッツ・カールトンに宿泊していたある大学教授が東京で講演を行うために新幹線に乗ったところ客室にメガネと講演用の資料を忘れたことに気がつき、ホテルに電話したところ、従業員がすぐにそれらを持って新幹線に乗って追いかけ、東京駅で教授に渡したというエピソードを聞いたことがあります。これはリッツ・カールトンでは従業員に大幅な権限移譲を行っており、従業員が一定金額までの決裁権限を持っているため上司の判断を仰ぐことなく臨機応変な顧客対応を行うことが許されているとされます。このようなサービススタイルのホテルブランドは極めてまれです。ホテルの料金は変動するのが基本で、いまは高級ホテルが全体的に高く推移しているといった繁閑差、スイートルームのランクといった考慮も必要ですが、スイートルームの一泊当たりの料金としては、決して高いとは感じません」

 ホテル業界関係者はいう。

「いわゆるラグジュアリー系ホテルといわれるホテルのなかでも、特にラグジュアリー感が強く、重厚な内装や調度品の数々が非日常的空間を演出している。東京のリッツはその立地も影響してか、レストランやバーで政治家や芸能人などもよく見かけられる。リッツといえば『世界最高のサービス』といわれるが、実際のところ、それほど接客サービスの質が高いとは感じられない。業界的には『可もなく不可もなく』という評価。特に日頃からファストフードやファミレスのチェーン店でも丁寧な接客を受けることに慣れている日本人からみれば、『普通』というレベルだろう。スタッフが常に『おもてなし感』を前面に出して行き届いたサービスを心掛けている国内資本のホテルと比べて、外資系の高級ホテルのスタッフは客への接し方がドライなので、日本人の客のなかには突き放されたと感じる向きもいるだろう。ただ、リッツに限らず国内にある外資系高級ホテルでは外国人客のほうが多いため、それでも特に問題にはならないし、そうした接客のほうがグローバルスタンダードだ」

 また、別のホテル業界関係者はいう。

「リッツ東京では45階にあり都内を一望できる『The Lobby Lounge』が人気。夜は絶景の夜景を堪能できるバーにもなり、金曜夜には満席で入店までかなり待たなければならないこともある。料金もかなり強気だが、サービスの品質は正直いまいち。今では少しは改善されただろうが、開業間もない頃に客として行った際には、スタッフ同士がおしゃべりして管理職や店内のオペレーションへの不満をこぼす声が耳に入ってくることもあった」

 ちなみにこの「The Lobby Lounge」のメニューを見てみると、コーヒーの「ザ・リッツ・カールトン東京オリジナルブレンド」が2100円、「オレンジジュース」は1800円、ビールの「アサヒ スーパードライ」が2200円となっている。

外資系ホテルと国内系ホテルの違い

 外資系ホテルと国内系ホテルではさまざまな面で違いがあるともいわれるが、前出の瀧澤氏はいう。

「1990年代から外資系ホテルが次々と日本に進出し、日系vs外資系という構図が高級ホテルシーンで生まれました。たとえば、帝国・オークラ・ニューオータニの御三家をはじめ、東京の日系高級ホテルのスタンダードな客室の面積は一般的に30平米ほどなのに対し、外資系は40~50平米とかなり広く、対外資としてリニューアルは施せても客室面積はそう簡単には広げられないといった点でも差を付けられてきました。

 また、ロイヤリティーという点からみると、世界に展開する外資系ホテルは会員プログラムを設けており、各国にある同一ブランドのホテルを利用する頻度が増えると会員ランクが上がりさまざまな特典サービスを受けられるシステム。その後、日系ホテルが外資と提携するケースも出てきましたが、結果としてヘビーユーザーを獲得しやすいというのも外資系ホテルの強みです。

 サービス面でいえば、外資系は完璧さを追求するスキのないサービスというイメージに対し、日系は長年にわたり培われた土壌からもホテルサービスにとって肝要な余裕とそこから生まれるある種の隙間あるサービスが特徴で、これこそ老舗の名門ホテルの神髄といえます」

高額なルームサービス

 今回の報道では、松本さんが飲み会を行ったのは宿泊先であるザ・リッツ・カールトン大阪のスイートルームとされている。同ホテルのスイートは、グランドピアノなどが設置された233平方メートルの「ザ・リッツ・カールトンスイート」、御影石を使ったバスルームを備えた「ジャパニーズ スイート」のほか、「エグゼクティブスイート」「ジュニアスイート」など複数の種類がある。公式サイトによれば、ジュニアスイートは一泊7~10万円台、エグゼクティブスイートは10~14万円台となっている。

「記事を読む限り、ソファーとテーブルがあるスペースとは別に寝室があるので、エグゼクティブスイートではないかと思われる」(ホテル業界関係者)

「FRIDAY」記事では、飲み会の様子を収めた写真に写り込んだテーブル上の食事も話題になっている。確かにスナック菓子や菓子パンなど、どれも100~200円台で買えるものばかりだ。

「一昔前ではルームサービスを24時間提供しているホテルも少なくなかったが、採算が取れないので深夜の提供をやめる動きが広まっている。飲み会の時間が遅くてルームサービスがやっていなかったのでは。もしくは、単純に高額なルームサービスの料金を払いたくなかったのかもしれない」(同)

 ホテルのルームサービスといえば高額というイメージが強いが、リッツ大阪も公式サイトをみると、「ハムの盛り合わせ」が4050円、「クラブサンドウィッチ 」が4850円、「刺身5種盛合わせ」が6830円、「うどん」が3410円となっている。

「リッツに1泊するのに10万円以上払う価値があるのかどうかといわれれば、人によってまちまちとしかいいようがない。非日常の贅沢感を味わいたいという人やリッツに泊まることでステータス感を得られる人は『価値がある』と感じるだろうし、富裕層にとって10~20万円くらいの出費は大した額ではない。ただ、日本人に限った話でいえば、相性や嗜好という意味で、同じくらいのお金を出すのであれば、帝国ホテルやニューオータニ、オークラといった国内系資本のホテルのほうが、しっくりくるというか、行き届いたサービスを受けられて高い満足感を得られる可能性は高いかもしれない。料金も外資系高級ホテルよりは総じて低い」

(文=Business Journal編集部、協力=瀧澤信秋/ホテル評論家)

瀧澤信秋/ホテル評論家、旅行作家

瀧澤信秋/ホテル評論家、旅行作家

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会 正会員、一般財団法人宿泊施設活性化機構 理事、一般社団法人宿泊施設関連協会 アドバイザリーボード。Yahoo!ニュース(個人)オーサー。
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