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半導体工場、新増設ラッシュ=補助金4兆円が呼び水―経済安保で高まる重要性

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半導体工場の主な新増設と政府支援

 日本各地で半導体工場の新増設ラッシュが続いている。半導体は電子機器や人工知能(AI)など幅広い分野で使われ、経済安全保障上の重要性が高い。政府は安定供給のため、工場誘致に2021~23年度で計4兆円規模の補助金を確保。かつて隆盛を誇りながら衰退した日本の半導体産業は、巨額の補助が呼び水となって大きな転換点を迎えている。

 次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京)が、北海道千歳市での工場建設を表明してから約1年が経過した。昨年9月に着工し、25年4月の試作ライン稼働と、27年の量産開始に向け工事が進む。

 ラピダスは、回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)と世界最先端の微細な半導体の量産を計画。半導体開発で出遅れた日本にとってハードルは高く、同社は米IBMの研究拠点に約100人を派遣して技術習得を進めている。

「日の丸半導体」の復活を後押しするため、政府は計3300億円の補助を決め、追加支援も行う方針だ。ラピダスの東哲郎会長は「うまくいかないとはみじんも考えていない」と自信を示す。斎藤健経済産業相は2月27日、衆院予算委員会の分科会で「失敗が許されないプロジェクトだ」と強調した。

 半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、熊本県菊陽町に建設した日本初の工場を年内に稼働させる。同県内では年内に第2工場も着工。総投資額は計約3兆円で、経産省は1兆2080億円を支援する。

 半導体大手キオクシア(東京)と米ウエスタンデジタルは、共同運営する三重県四日市市と岩手県北上市の工場で、記憶用半導体の生産に7200億円超を投じる。米マイクロン・テクノロジーも広島県東広島市の工場増強を決定。台湾の半導体受託製造大手の力晶積成電子製造(PSMC)とSBIホールディングスは、宮城県大衡村に工場を建設する計画だ。

 半導体産業が活況を呈する一方、技術者の人材不足が深刻化している。大規模工場の稼働では、道路や工業用水など関連インフラ整備も欠かせない。斎藤経産相は「半導体産業の復活や国内生産基盤の構築はまだ道半ばだ」と語り、腰を据えて支援する方針を示している。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/03/01-15:42)

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