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東和銀行、凄まじいパワハラで若手行員が過労自殺…上司が休日に自宅に呼び出す

文=Business Journal編集部
東和銀行、凄まじいパワハラで若手行員が過労自殺…上司が休日に自宅に呼び出すの画像1
東和銀行のHPより

 東和銀行(本店:前橋市)の男性行員(当時25歳)が自殺し、労災と認定されていた。男性は上司から他の同僚たちの前で毎日のように「数字が上がらない」などと叱責を受け、休日に上司から自宅に呼び出され仕事をさせられていた。顧客からも無理な注文を受け、亡くなる直前に書き残したメモには「支店の中で、誰にも相談できず、どうにもならなくなってました」と綴っていた。4月には、みずほ銀行の行員が人事部から執拗に退職勧奨を受けた後、約4年半にわたり自宅待機を命じられ懲戒解雇された件で、東京地裁が同社に対し賠償金の支払いを命じたが、コンプライアンスが重視されるべき銀行で、なぜこのような違法な行為が行われているのだろうか。

 大正6年創業で100年以上の歴史を持ち、群馬県メインバンク社数ベースでは同県3位の東和銀行。東証プライム市場に上場しており、91店舗を展開し従業員数は約1200人。群馬県を地盤とする典型的な第二地銀であり、「靴底を減らす活動」「雨でも傘をさし続ける銀行」「謙虚さのDNAを忘れない銀行」をモットーに掲げている。

 男性は入行4年目の2017年4月に埼玉県の川越支店・法人渉外課に異動し、初めて法人向けの営業を担当。男性の遺族の代理人を務める立野嘉英弁護士(大阪弁護士会)によれば、上司は朝の活動予定から夕方の活動報告、稟議書の提出時、書類確認の合間など、気になることがあれば都度、部下を呼びつけたり怒鳴ったりしていた。男性も同僚らの前で、この上司から度を超えた叱責を再三にわたり受けていた。他の上司も男性ら同僚に対し「数字が取れるまで帰ってくるな」と怒鳴り、追い詰めるような指導を日常的に行っていた。

 さらに男性は前任者も対応に苦慮していた顧客から無理な注文を受け、男性のみでは対応できない状況となっていたが、相談しにくい職場環境であり、同年5月31日、男性は職場に出社せずに自殺。「仕事の上で悩んでいました。転勤して、問題ばかり起こしてしまい、皆さんにご迷惑をおかけしてしまっていることを非常に悩んでおりました。その事を支店の中で、誰にも相談できず、どうにもならなくなってました」と書いたメモを残していた。

 ちなみに男性は以前に在籍していた鶴瀬支店で、渉外活動の業績が評価され部長賞を表彰されている。

 川越労働基準監督署は、男性が「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」とし、社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃を受けたものと判断。男性が「適応障害」を発病したと認め、労災と認定した。

 遺族代理人の立野弁護士は以下のようにコメントする。

「本事案では、労基署により、上司からのパワハラに加え、若手行員の異動に伴う業務内容と経験・能力とのギャップや、相談しにくい職場環境による負荷も評価され、労災認定されている。長時間労働の認定はなくても、業務の質的な内容や職場環境から心理的負荷を認定しており、評価できる。従業員のメンタルヘルス対策として、パワハラ防止は当然ながら、未経験業務を担う人をフォローし、相談しやすい職場環境や体制を作っていくことも重視すべきである」

 また、遺族は代理人を通じ「命を落とすまで数字を追わせるのでしょうか。そんな組織を変えてほしい」とコメントしている。

地銀特有の事情

 同じ銀行としては、メガバンクの「みずほ銀行」でも労働環境をめぐる問題が明らかとなっておる。男性行員が、上司が勤務中に顧客から見える場所で足を組んだ姿勢で新聞を読んでおり、顧客から苦情を受けたため支店長らに態度を改めさせるよう報告。すると男性は人事部から執拗に退職勧奨を受けた後、約4年半にわたり自宅待機を命じられ、懲戒解雇された。男性は同社に対し損害賠償、解雇の無効などを求めて裁判を起こし、先月、東京地裁は同社に対し330万円の賠償金の支払いを命じた。

 メガバンク行員はいう。

「メガバンクでも地銀でも『上司の言うことは絶対』という風潮が強く、上司につけられた評価が将来の出世や昇給に大きく影響し、1度でも悪い評価をつけられてしまうと挽回するのは至難の業となる。社風も極めて堅いため、悩みを抱えていたり成績が振るわなくても気軽に社内で相談できる相手がいないという状況になりやすく、自分を追い詰めてしまう。

 それでもメガバンクは銀行業界のトップとしてコンプラ教育の徹底が進んでおり、社内の内部通報制度も形式上は設けられ、問題を起こすと社会的に大きく関心を寄せられてしまうリスクもあることから、部下への“激詰め”や強い叱責、わかりやすいハラスメント行為というのは以前と比べるとかなり減った。従業員数も多く、全国規模で転勤があるため、数年耐えて職場と上司が変わると労働環境が一変することも期待できる。

 一方、地銀の場合はメガバンクほどはコンプラが浸透しておらず、古いやり方が残ってしまっている面はあるかもしれない。また企業規模も小さいので“逃げ場がない”という状況にも陥りやすい」

 別のメガバンク行員はいう。

「精神的なキツさは足し算で決まってくる。たとえば顧客から厳しい要求を受けても上司が親身にサポートしてくれるタイプであったり、上司がキツイ人でも別の上司や同僚が声をかけてくれたりすれば、精神的な負荷は和らぐ。今回亡くなった東和銀行の男性は、上司からも顧客からも度を越した要求や叱責を受けたのに加え、社内で誰も頼ることができず追い込まれてしまったのでは。地銀はその地域で強い影響力を持っているケースが多く、男性は『銀行を辞めたら、もうこの地でやっていけない』と思い詰めてしまい辞めるという選択をできなかった面もあるかもしれない。

 この上司は毎日のように他の同僚たちの前で男性を叱責し、さらに休日まで自宅に呼び出して仕事をさせていたとのことだが、いくら上下関係やノルマが厳しい銀行とはいえ、明らかに異常なレベルといえる。このような管理職、そして職場環境を放置した会社の責任は重い。(15年に)電通の若手社員が過労自殺した問題では当時の社長が引責辞任したが、東和銀行の経営陣も責任を取るべきだ」

BusinessJournal編集部

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