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東京都心・浜松町駅前で「粗雑すぎる解体工事」…寄せ集め集団で粗悪な工事か

文=Business Journal編集部、協力=谷池一真/クリーンアイランド代表取締役
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写真はイメージ(「Getty Images」より)

 浜松町の駅前で行われている、ビルの解体工事が雑すぎると話題になっている。SNS上にあげられている写真を見ると、工事現場からガレキが流れ出て歩道を横切り、車道にまで達している。解体業に携わる人たちからも「真面目にやっている業者がバカを見る」など批判の声が上がる。専門家に、この現場について見解を求めた。

 10月21日、X上にビルの解体現場の写真が投稿された。

 写真を見ると、工事現場からガレキが流出したようにみえる。それは歩道を横切り、車道にまではみだしている。ガレキの周りにカラーコーンを立てて通行する人や車両に注意を促しているようだが、そもそも道路にまでガレキが流出するような解体工事を、警察が許可するだろうか。

 この投稿は2日間で約2000万回表示され、1万回以上のいいねが付くなど、大きな注目を浴びている。「事故現場かと空目しました笑」「道に飛び出しての解体って今まで見たことないけどありなん?」など、乱暴すぎる工事に疑問の声が噴出。また、「アスベスト調査とかされているんでしょうか?」「浜松町駅周辺にアスベスト飛散しまくってそう」「年代的にアスベスト無しなわけもなかろうに、摘発して厳しくしないと日本はそういう国になってしまうよ」など、アスベスト被害を懸念する声も少なくない。さらに、「真面目な業者がバカを見ますね」など、業界への影響を懸念する向きもある。

解体業者からも疑問の声

 そこで、解体業を専門とする株式会社クリーンアイランド代表取締役の谷池一真氏に、この工事現場について話を聞いた。

――道路までガレキが出てくるような工事は、よくあることなのでしょうか。

「通常は敷地内にトラックや重機を入れて、歩道は歩行者が使えるようにしないといけません」

――では、このように道路まで出てきている状況になれば、警察が注意しにきたりするのでしょうか。

「この工事について、道路使用許可を取っているかどうかは不明ですが、使用許可を取っているとしても、仮歩道をつくらないといけないのですが、この写真を見る限り、仮歩道はつくらておらず、歩行者の安全が確保されていないといえます。道路使用許可を警察に申請していたとしても、この状況では実際に是正対象になることが考えられます。」

――このように異常な状況になっている原因はどのようなことが考えられますか。

「先述したように、通常は敷地内にトラック等を入れて作業をするのですが、狭くて入りきらなかったとか、工事を早く終わらせようとして粗雑な工法を取っているといったことが原因かと思います」

――ガレキが崩れてくると、アスベストが飛散するのではないかと懸念する声がありますが、いかがでしょうか。

「アスベストについては法律で厳しく規制があり、事前調査をしてアスベストの有無は確認しているはずですので、問題ないのではないかと思います。しかし、ガレキについては粉塵などが舞い上がらないように散水するといった対策をしているようには見えません。周辺住民に健康被害が出るとまでは考えにくいですが、かなり迷惑をかけているといえるでしょう」

――写真からだけでも、かなりずさんな工事をしていることが見て取れるわけですね。

「東京の人通りの多い駅前ですから、敷地内で工事を完結させることが常識なのですが、私もこの工事現場の前を通りましたが、外国人の方が多く、スピードを重視するがゆえに、このような工事になっているのかと感じました」

――この現場に限らず、最近はずさんな解体工事が増えているとの指摘があります。

「一部の業者だとは思いますが、外国人を労働力として取り入れている業者などで、工事が粗悪になっているのは確かです」

――今回の工事は、元請け業者が直接、工事をしているか不明確ですが、下請けや孫請け業者へと丸投げされ、粗雑な工事につながっている可能性はあるでしょうか。

「下請け、孫請けと下がっていくほど、コストが安くなります。予算が少ないなかで工事を行うことで、今回のような事態を招いている可能性はあります」

――この投稿にあるような粗悪な工事を、ほかの現場で目にしたことはありますか。

「なかには良くない業者もいるので、粗悪な工事の現場を見たこともありますが、都会の真ん中で、しかも駅前のビルでこれほど雑な工事はあり得ないですね」

――浜松町の駅前でこれほど雑な工事をする業者は、業界内でも噂が広まったりするのでしょうか。

「解体業者はとても数が多く、個人で経営している方もいますので、それほど業者名が広まるということはありません。逆に、ある程度名前が知られている業者であれば、このような粗悪な工事はしません。つまり、外国人労働者を集めたり、寄せ集めのような集団で工事を行ったりする会社は、無茶苦茶なことをすることがあります」

――これほど雑な工事を行ったことで、建設業の許可や解体工事業登録が取り消されるといった罰則はないのでしょうか。

「雑な工事を行ったというだけでは罰則はありません。何か法令違反などがない限りは許可が取り消されることはないですね。今回の工事でいえば、仮に道路使用許可を警察から得ていたとしても、ガレキが流れてくるような道路の使い方を想定しているはずはなく、せいぜい資材を歩道上に置くくらいです。したがって、警察から指導が入る可能性はあります」

 東京のビジネス街、しかも交通の要衝でもある浜松町の駅前で起きた、あまりにも杜撰な解体工事。発注者は株式会社森商会、受注者は株式会社神田中央ハウジングとなっている。Business Journal編集部は、工事の責任を負う神田中央ハウジングに問い合わせを行ったが、現時点では返答を得られていない。回答があり次第、追記したい。

(文=Business Journal編集部、協力=谷池一真/クリーンアイランド代表取締役)

谷池一真/クリーンアイランド代表取締役

谷池一真/クリーンアイランド代表取締役

東京・大阪・兵庫で建物解体工事業、原状回復工事業、事業系一般廃棄物収集運搬(南あわじ市積み替え保管含む)、産業廃棄物収集運搬業などを手掛けている。累計30,000件以上のご相談、累計5,000件以上の解体実績、解体歴は15年以上。
株式会社クリーンアイランドホームページ

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