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ヤマダは住宅販売の子会社としてヤマダ・エスバイエルホーム(旧エス・バイ・エル)を抱える。昨年11月には3.3平方メートル当たり20万円台という低価格の注文住宅を受注することを目的とした子会社、ヤマダ・ウッドハウスを設立。中期的には住宅関連事業で3000億円の売り上げを目指すとしているが、業績回復にどれほど即効的な効果があるのかは不透明な部分が大きい。
●労働環境の問題点も露呈
業績低迷にあえぐヤマダであるが、ここにきて、その企業体質を問題視する動きも広まっている。
事の発端は、「週刊文春」(文藝春秋/13年12月19日号)が、ヤマダ社内で各店舗の店長に対し、売り上げノルマの達成のため激しいプレッシャーがかけられている実態を報じた。例えば、福島県にオープンした新店舗の店長が営業不振に苦しんだ揚げ句、架空売り上げを計上、昨年7月に自殺に追い込まれたという。ほかにも、07年に男性社員が長時間労働の末にうつ病を発症して自殺し、昨年12月11日に遺族が損害賠償を求めヤマダを提訴しているという。
同誌が入手した内部資料によれば、昨年9月7日以降の4週間で残業時間が40時間を超えた人が、全国607店舗で1819人に上り、厚労省が定めた月80時間の過労死ラインを超えた人が46人もいるという。店長の給与は月平均40万円程度でボーナスはなく、長時間の残業を考えると賃金は決して高くないといえる。
創業者の山田氏は、売上高3兆円の達成を目指してきたが、ここにきて成長が逆回転を始めそうな兆候が出てきた。
果たしてヤマダは今年、業績、そして企業体質に向けられた懸念をはねのけ、さらなる成長へと舵を切るのか。家電のガリバーを築き上げた山田氏の手腕に、注目が集まっている。
(文=編集部)
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