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立ち上げメンバーが明かす!新規事業制度「mokuMOKU」成功の裏にあった意外な事実

– mokuMOKU OPEN開催に寄せて、東京ドーム×TECHFUND対談 前編!!-

2021年4月のインタビュー記事「【初公開】コロナ時代における東京ドームの新規事業をどう生み出すのか?」から3年が経過し、はじめて、東京ドーム社員とチームを組めば東京ドームの新規事業制度に社外からアイデアを応募できる「mokuMOKU OPEN」にチャレンジする。スタートから東京ドームの新規事業制度 mokuMOKUのその後について、インタビューで迫ります。

「mokuMOKU OPEN」:https://techfund.jp/startup-studio/tokyo-dome/mokumoku-open-2024

株式会社東京ドーム・安間良浩室長、桐畑誠也さん、持田真由子さん
TECHFUND.inc・大西ラドクリフ貴士さん、船越健司(インタビュアー)

インタビュアー(船越)
本日は対談よろしくお願いします!今回、今までにない取り組みをされると聞きまして、対談の機会をいただき、ありがとうございます。

まずは、(株)東京ドーム・新規事業室の皆様と新規事業プログラムにおける役割について、自己紹介も含め、教えてください!

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【写真左から(2人目)安間良浩室長、(真ん中)桐畑誠也さん、(右)持田真由子さん】

(安間室長)
新規事業室は、イノベーションを継続して生み出す仕組みを創出するというミッションがあり、新規事業創出やイノベーション文化の醸成を目的に新規事業提案制度「mokuMOKU」が生まれました。

インタビュアー(船越)
壮大なミッションですね…!
以前は違ったプログラムを運営されていたともお聞きしたのですが、それとはまた異なるものなのでしょうか?

(持田)
そうですね。以前やっていたものと「mokuMOKU」は目的やプログラムの設計が違いますね!以前は「アイデアコンテスト」のような意味合いが強く、事業化までのプロセスが整えられてはいませんでした。そのため「事業化へ繋げる」という目的が曖昧だったと感じています。

インタビュアー(船越)
なるほど〜。それは全くの別物ですね。新規事業室としても新しいチャレンジだったんですね!

(持田)
そうですね。
本当に当時のメンバーで試行錯誤しながら社内で提案をしてきたことを覚えてますね!
社内的な話をすると、新規事業に関しては新規事業室がメインで行うという意識が強く、なかなか全社的なプロジェクトとして推進できないという課題もあったんです。
そういう意味では「実際に社員から集めたアイディアを事業化していくこと、その仕組みづくりに注力した」というのがmokuMOKUの初期でした。

インタビュアー(船越)
ありがとうございます!
お話を聞くだけで、初期の大変さや課題感が伝わってきますね。
ちなみにTECHFUND社と出会ったのも、その頃だったんでしょうか。

(持田)
そうです!懐かしいですね!笑
新しく新規事業プログラムを考え出した時に外部から専門的な会社に入ってもらおう、という話になり、インターネット上で検索していて出会ったのがTECHFUNDさんでした。
本当に色々と悩み相談をさせてもらって、なんとか走り出した!という感じでした。

(ラドクリフ)
当時、事前に多くの情報をもらって、どう進めるのが良いのか議論しましたね。
これまで大手企業のインキュベーション支援をしてきましたが、東京ドーム社ならではのカルチャーや思想に基づく、課題や悩みが多かった気がします。

インタビュアー(船越)
両社で試行錯誤しながら始められたんですね。
まずはやってみる!ということも新しいチャレンジの中では大切になってきますよね〜。
ちなみに「なんとか走り出した!」という中で、スタート当初の目標などはあったのでしょうか?

(持田)
実は大きな目標がありまして・・・笑 
私たちとしては、「mokuMOKU」が30年続く制度にしていくことを掲げて走り出しました!そのスタートとして、アイデアを100件あつめることを目標に、まずは仕組み作りと社内認知に注力していこうと考えてました。

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新規事業制度 1年目:エンタメ企業ならではの制度を

インタビュアー(船越)
なかなか、壮大な目標ですね!
多くの苦労もあったと思いますが、まずプログラムをやった1年目はいかがでしたか?

(持田)
初年度ということもあり、多くの方に参加いただくことができました!
新しいコトに興味関心がある社員が多く、とりあえず面白そうだから出してみる、といった社員も中にはいました。
出してもらったアイデアをどうやって育てていくか、というのは苦労しましたね。

(桐畑)
本当にそうでしたね!
実は僕も新規事業室へ異動する少し前のタイミングで、mokuMOKU初年度に応募者として参加してたんですよね!まさか、運営担当になるとは…笑

その後、mokuMOKU担当として、検証を進めていく上で理想の進め方とのズレや小さな課題に焦点を当て過ぎたなど初年度ならではの難しさはありました。

(安間室長)
まさかその後すぐに一緒にmokuMOKU運営をやることになるとはね!笑
ホント当時は「mokuMOKU」という名前を知ってもらおう!と認知してもらうための活動を多く行っていましたね。

1年目からの実感として、現場目線から生まれてくる事業アイデアがどんどん出てきて、「らしさ」というのが非常に出ていたのではないかな、と思いました。
今もそれは大事にしていきたいと思ってます!

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(桐畑)
その中で、気概を持って目の色を変えて取り組んでくれたチームがあって、その流れが2年目、3年目と続いているので、初年度があって本当に良かったな。と思ってます!

(ラドクリフ)
この10年で様々な企業様の新規事業制度をご支援してきたのですが、「エンタメ企業が新規事業プログラムを開催すると、こんな事業アイデアが出てくるんだな」と強く感じまして、提案されるアイデアが特徴的でしたね!

また通常は、Demo Day(社内起業家候補の各チームが事業案を審査員にプレゼンテーションする場)のイベント企画や演出・プロモーションもTECHFUNDが設計支援するケースが非常に多いんです。でもそのあたりは東京ドームさんには全くサポート不要でしたね。

だって、普段はヒーローショーをやってるシアターGロッソという劇場を使って、そこに社内起業家を立たせ、スポットライトをあてるんですよ。エンターテインメントとしての盛り上げ、ショーとして演出されていて、東京ドームだからこそできるプロデュースだと思って素晴らしいな!と感じました。他の企業様にはない大きな特徴だと思います。

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新規事業制度 2年目:制度を文化として根付かせるために

インタビュアー(船越)
それはすごい話ですね!!
初年度から盛り上がりを見せていたんですね。
その上で、2年目からは体制も変わりまた新しいmokuMOKUが始まったとお聞きしました。
どのようなチャレンジをされてきたのでしょうか?

(桐畑)
「miniMOKU」という取り組みを始めました。miniMOKUは、mokuMOKUへ応募するかどうか悩んでいたり、応募まではしないけどアイデアを誰かに聞いてほしい、というようなニーズに応えるための取り組みです。誰かの頭の中にある小さな事業やアイデアを簡単に発表できる仕組みとしてスタートさせました。

1年目の盛り上がりをそのまま踏襲しようと思っていたのですが、思った以上に苦戦したんですよ。ただ、miniMOKUなどの取り組みによりアイデアのタネを生み出す仕組みがあったことにより次年度以降に繋ぐ基盤ができたと思います。

ただ全体的には苦戦してました。笑

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インタビュアー(船越)
苦戦もあった2年目が最後の一言で伝わりますね。
ただ、miniMOKUは、先を見据えての取り組みがうまくいった事例ですね!
運営や他の観点ではいかがでしょうか?

(桐畑)
そうですね!
前年から体制変更があって、みんなでなんとか頑張ろう!という雰囲気になってました!!
それこそ運営は「全員野球」でしたね!

(ラドクリフ)
確かにそうでした。TECHFUNDも体制の変化や課題感の変化に伴い、支援スタイルを変えてましたね。先ほど話に出ていたminiMOKUも機能していたので、いかにこの源泉を活用していけるのか、という観点で運営事務局の皆さんと話していたのを覚えてます!

(桐畑)
そうでした!笑
前年より応募総数は若干減ったので、事務局としても支援のあり方も量より質に転化させて行きました。

(ラドクリフ)
「新規事業制度内での各チームへの支援のあり方を途中で変化させていく」というのは、簡単なようで難しいことですよね。それでも運営事務局の方々の努力によって、変わっていきましたよね。また各起案者の仮説検証支援を行う当社のPoCサポートメンバーの支援もあり、一緒にDemo Dayまで走りきれたと思います。その結果、2年目のアイデアからは2件の事業化承認が生まれましたね!

(桐畑)
1年目でうまくいかなった応募メンバーにも、長期的に運営事務局がリレーションをとっていたことで、mokuMOKU2年目にも応募してくれたという事例も生まれましたね。

(ラドクリフ)
そうでしたね。この「1年目に落選した人が、熱量を持ち続けて2年目にも起案してくださること」は、新規事業制度を単発で終わらせずに社内に文化として定着させていく上では、とても大事なことだと私は思っています。これって1年後を見据えて落選者にもフォローし続けるカスタマーサクセス的な思想で、実行するのは大変なんですが、このあたりに向き合った事務局の方々の成果だと思います!

インタビュアー(船越)
翌年度に繋げていくことをしっかりフォローできていましたね!

(ラドクリフ)
あと、個人的に印象的だったのは「劇団mokuMOKU」というワードが生まれていたことです!笑 
1年目同様にDemo DayはヒーローショーをやってるシアターGロッソという劇場を使うわけですが、「mokuMOKU事務局や社内起業家はこの舞台を盛り上げる劇団員なんだ」というコンセプトで皆さんが一致団結してたのがめちゃくちゃ面白くて。
プロセスも含めて全体をエンターテインメントに仕上げる力と巻き込み力は凄まじくて、まさにドームさんの特徴が出ていたと思います!

(安間室長)
それはもう東京ドームの社風ですね!
当社ってエンタメ企業なんで、エンターテインメントって人の嗜好だったりするので、人の考えを否定するとかっていうのはないかもしれません。
だからこそ、人の発表やアイデアを聞いて一緒に盛り上がってくれる文化があるように思います。

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新規事業制度 3年目:グループ全体への波及

インタビュアー(船越)
「劇団mokuMOKU」はキラーワードですね!
安間さんの話からも、東京ドーム様の強みや特徴が理解できる話だと感じました。

ではここで、少し話を最近の話題に移したいと思います。
「新規事業プログラムはまず3年目が一つの区切りになる」という話をよくお伺いするのですが、mokuMOKUでは、3年目にどのような変化が見られたでしょうか?

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(桐畑)
まず、新規事業室で抱えているプロジェクトが多くなって、今までのように全員野球で取り組める状況ではなくなってきてました(泣)
ただ、それでもmokuMOKUは非常に大事にしていて、プログラムとしても試した施策も増えてきていたので、課題や取り組むポイントが明確になってきました。

特に、2年目の参加者の減少に伴い、より参加しやすい環境作りに特化することで、参加者に寄り添うプログラム内容に変えていきました。

たとえば、就業時間の10%を活動に充てられるなど、制度変更を実施したり、TECHFUNDさんにもより早期のフェーズから各プロジェクトに伴走してもらったりしました。そのほか、運営事務局がメンターとなり応募者の伴走支援を強化したり、溜まったナレッジを活用して社内講義によるインプット場を作ったり、ですね。

(ラドクリフ)
確かにそうですね。1年目、2年目とやってきて「mokuMOKU」が東京ドーム本社の社員からの応募しかないというところで参加者の頭打ちが見えた時期でもありましたよね。「mokuMOKUは東京ドームグループ全体のものであるということで、改めてグループ会社や地方勤務者などにもアプローチを強めて参加者を広げる施策をとりましたよね。

また桐畑さんの話にもあった通り、例えば「ファウンダー(社内起業家)のケア」のように重要なんだけど難しい部分を事務局メンバーで対応されたりと、社内事情も含めて起案者の近くにいるからこそ寄り添えるご支援をされていたなと感じます。

まさに3年目はTECHFUNDが事業の仮説検証を伴走して、事務局がファウンダーケアに入るというバディ体制で臨んだからこそ生まれた変化ですね。

インタビュアー(船越)
リソースが限定的な中で、かなり思い切ったアクションでしたよね!

(安間室長)
まさに、それが狙いでした。
限られたリソースを2年間の運営で見えてきた大きな課題やポイントに全集中させると。

参加に対する心理的安全性を保つことで、その成果として参加者層の幅が広がり、それまでに参加のなかった東京ドームシティ外の事業所から、たとえばグループ会社の施設「熱海後楽園ホテル」の社員や、セレクトコスメショップ”shop in(ショップイン)で地方勤務をしている店長など、バラエティ豊かな応募者が生まれました!

(桐畑)
その中でも注力したのが「客観的な検証結果を導き出す」を実現させることでしたね。
わかりやすく「検証期間の延長」を行うことで、顧客と向き合う時間を増やすことができました。
審査を通過したアイデアが実際にヒアリングを行ってみると「課題に対してサービスの機能がフィットしていない」とか顧客と課題が合っていないなどの問題もありましたが、解消ができたのではないかと思います。

「見守り型支援」から「特化型バックアップ支援」に移行した感じです!

インタビュアー(船越)
では、ここまでインタビューをしてきてなんですが、ズバリ聞いてしまいます!この3年間で、プログラムが生んだ最大の成果や成功はどんなところでしょうか?

(安間室長)
3年間やってきて、TECHFUNDさんが初期からよく言い続けてきた「顧客課題からビジネスを着想する」というのが、最近になって腹落ち感を持ってめちゃくちゃ理解できるようになってきました。

3年目にグランプリを獲った事業アイデアがまさにそうですね。今までとは少し違って、本当に「顧客課題」に焦点が当たったビジネスアイデアになっていて、これは絶対に顧客のニーズがあって利用されるよな、って思えるものが出てきたんですよね。

実は本人は、今思いついたものではなく、何年も前から考えていた事業アイデアらしいです。実際に上長にも提案していたらしいです。

だからこそ、こういったアイデアを拾い上げて育てる仕組み重要だと感じますし、これは1年目、2年目があったからこそであり、事業検証の観点が変わったことで出てきた成果だと思うので、今後期待してバックアップしたいと思います。

(桐畑)
1、2年目は東京ドームらしい「エンタメ」「推し活」などのテーマの事業アイデアが多く生まれてきてましたし、比較的インターネットやアプリを活用したサービス設計が多かったんです。

安間もコメントしてましたが、3年目にして東京ドームが得意とするオフライン施設を用いたサービスが出てきたというのは「凄く良いな!」と思いましたし、実は社内から求められていて、応援してもらいやすいというのが分かりましたね!
それが3年目の満場一致の事業化承認に繋がったのではないでしょうか。

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後編では「mokuMOKU」が生み出した大きな変化、取り組みの目玉となる「mokuMOKU OPEN」について触れていきます!

※本稿はPR記事です。

BusinessJournal編集部

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