外国人人材のマッチングサービス「Stepjob」、定着率95%の理由

少子高齢化による人材不足を背景に、「外国人採用」の需要が急速に高まっている。都市部に限らず、若手の人材確保が困難な地方企業においても外国人採用の動きが活発化。しかし、多くの企業は関心を持ちながらも、採用プロセスの進め方がわからない、あるいは採用に不安を感じているのが現状である。
こうしたなか、注目を集めているのが、外国人人材紹介で10年以上の実績を誇るマッチングサービス「Stepjob(ステップジョブ)」だ。
今回は、サービス立ち上げから携わり、外国人採用の変遷を見てきたポールトゥウィン株式会社のStepjob事業部部長・行平澄子さんに、外国人材採用の需要増加の背景や課題、そしてStepjobの取り組みについて話を聞いた。
人口減少で外国人採用の需要が増加
少子高齢化により、2050年には日本の生産年齢人口が約3分の2まで減少すると予測されている。国内の労働力を日本人だけで担うことが困難になると予想されるなか、外国人採用への需要が高まっている。外国人採用を後押ししているのが、2019年に創設された「特定技能ビザ」という在留資格だ。
特定技能ビザは、日本国内の人手不足産業で働く、一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れる制度である。従来の在留資格は専門職やホワイトカラーなどの「高度人材」に限られていたが、特定技能ビザでは建設作業員や介護職員などの「現場作業者」まで対象が拡大された。
制度開始から数年はコロナの影響で1〜2万人程度の増加に留まっていたが、2025年は約30万人まで増加という急成長を遂げている。この急増の理由には、多くの外国人が日本企業を魅力的な就労先として評価している点も挙げられる。
「東南アジアの人材は、母国よりも高い給与水準に魅力を感じているようです。特定技能制度では、外国人労働者に日本人と同等の給与が保障され、労働者の権利も守られているため、働きやすい環境としても評価されています。さらに、多くの国では経験者採用が一般的である一方、日本には新卒から人材を育成する文化があり、就労へのハードルが比較的低いと捉えられているのです。
街の清潔さや治安の良さから、日本は安全で暮らしやすい国というイメージも定着していますね。アジア圏からの人材にとっては、日本は地理的に近く、文化的な親しみを感じる人も多いです。『NARUTO』『ドラえもん』『ちいかわ』といったアニメや漫画、キャラクターやアイドルなどに興味をもって日本語を学んできた人も少なくありません」(行平澄子さん、以下同)
採用だけでなく、入職後もサポート
外国人採用は注目を集める一方で、多くの企業が人材獲得に不安を抱えている。主な課題は人材の日本語能力や文化的な違い、そして採用に伴う法的手続きの煩雑さだ。
これらの課題に対し、包括的なサポートを提供しているのが「Stepjob」である。同サービスは求人支援、就業サポート、入職後のフォローまでをワンストップで提供。たとえば、ビザや行政手続き、不動産や携帯電話の契約、家電の手配といった生活支援まで実施している。内定までの利用料は無料だ。
「入職後は相談窓口を設け、企業からの面談依頼があった際には、本人の悩みや仕事の状況、生活面での課題などを母国語での聞き取りを実施。また、外国人人材向けの研修動画を用意し、ゴミ出しの方法、挨拶、電車での並び方など、日本の文化についてのレクチャーも行っています。時間感覚の違いによる遅刻の問題も、日本の文化への理解を深めることで解消されています」
採用にあたっては、入職者への就労環境の説明を丁寧に行い、ミスマッチを防いでいるという。給与条件や待遇、先輩社員の活躍状況を詳しく伝えるとともに、求人票には住居手当の有無や最寄り駅までの距離など、具体的な生活環境も明記。このような取り組みの結果、サービス利用者の6カ月後の定着率は95%を達成している。
行平さんは、外国人採用は今後さらに増加すると予想している。
「特定技能の対象分野は政府の施策により段階的に拡大され、自動車運送分野や物流分野などが新たに追加される予定です。対象分野の拡大により、外国人材の受け入れはさらに活発化すると見込まれます。現在、日本での就労を希望する外国人材は多数おり、とくに近年は中国を中心に、高度な専門性をもつ人材からの就労希望が急増しています」
外国人採用は介護・外食といった特定技能の分野やインバウンド需要が中心だが、最近ではアミューズメント施設や美容整形クリニックでの通訳など、活躍の場が広がってきているという。それでも、外国人採用に取り組んでいる企業はまだ少数派だ。日本全体で人材不足が深刻化し、今後外国人採用が増加すると見込まれることから、外国人人材を確保するには、今がチャンスなのかもしれない。
取材・文/福永太郎
撮影/宇佐美亮
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