メタプラネットQ2決算—ビットコイン運用益468%、“アジア最大の保有企業”が描く次の一手

日本のメタプラネット(東証:3350)が2025年Q2の決算資料を公表し、年初来のBTC Yield(後述)が468%に達したこと、保有量が18,113BTCとなったことを明らかにしました。
数字だけを追うと派手に見えますが、実際は「どう稼いだのか」「どんな資金調達を進めるのか」というビジネスの骨格が見えてくる内容です。
公式スライドでは、Q2の売上高は123.9億円、営業利益は8.17億円とされ、ビットコイン関連の収益化事業が伸びの主因になりました。
また、このように伸びた時は、投資家だけでなく、ハッカーの目も輝きを増します。そのため、投資を始めてみようという方はBest Wallet 公式サイトなどの安全で信頼性の高いウォレットの開設をおすすめします。
Q2のメッセージをひと言でまとめるなら、「価格頼みではなく、仕組みでビットコインを増やす企業設計へと舵を切った」という点に尽きます。
決算で何が起きたのか
Q2の売上高は123.9億円で前四半期比41%増、営業利益は8.17億円で同38%増となりました。純利益は111.1億円と示され、総資産は2,382億円、純資産は2,010億円に拡大しています。
決算サマリーの内訳を見ると、売上の約9割を「Bitcoin Income Generation(ビットコイン収益化)」が占め、宿泊・メディアは補助的な位置づけです。単純な評価益だけではなく、収益構造として“稼ぐ”パートが立ってきた点が今回の最大のトピックです。
BTC Yieldとは?
資料で強調されるBTC Yieldは、「保有BTC÷完全希薄化後株式数」という比率の期間変化率を指標化したものです。企業価値を株式の希薄化も踏まえて“どれだけBTCを積み増せているか”で評価する考え方で、純粋な会計上の利益でも資金繰りでもありません。
2025年の年初来では+468.1%まで伸び、同社はこの指標をKPIとして掲げています。“利益”というより“1株あたりBTCの増殖度”を測る物差し、と理解すると本質がつかみやすくなるでしょう。
保有枚数18,113BTC—世界順位をどう読むか
8月12日時点の保有量は18,113BTC。企業別の世界順位は情報源により差が出ています。ビットコイントレジャリーズの公表リストでは現時点で「7位」に位置づき、RiotやBullishなどの上位に続く規模です。
一方、いくつかの海外メディアは「6位」と報じています。Cryptonewsは「4位」とする見出しを掲げましたが、同日付のランキングサイトと整合しない箇所があり、集計基準(対象企業の範囲、更新タイミング)でブレが生じた可能性も。実務的には“上位グループに入った”という把握で十分で、指標を見る際はソースの更新時刻と定義を併読するのが安全です。
どう稼いだのか:「収益化エンジン」
Q4 2024に始動した「Bitcoin Income Generation」は、現金担保付きプットオプション(キャッシュ・セキュアード・プット)の引受けが柱です。Q2単体ではこの部門だけで113.1億円の売上を計上し、四半期ベースで約47%増と伸長しました。
会社側は「BTCの評価益は業績予想から除外」と明記し、あくまでプレミアム収入など反復可能なキャッシュフローで通期の売上(340億円)と営業益(250億円)見通しを支える姿勢を示しています。“ボラティリティを怖がらず、むしろ保険料収入に転換する”のがメタプラネットの現在地です。
資金調達の新機軸:「Metaplanet Prefs」と555億円の枠組み
同社は優先株による恒久的な資本調達「Metaplanet Prefs」を検討中です。スライドでは、クラスA/クラスBあわせて5億5,500万株の優先株を“認可枠”として想定し、棚卸し登録ベースで各2,775億円、合計5,550億円の発行余地を掲げました。
これは国内の固定利回り需要に合わせ、BTCを裏づけとしたクレジット商品を段階的に組成する構想で、具体化には当局・取引所・引受との協議を要する旨も併記。加えて、海外報道ではこの優先株構想を「日本の債券市場にBTC連動のイールドカーブを持ち込む挑戦」と紹介しています。
要するに、株式でも債券でもない“BTC担保の永続的な調達ライン”をつくり、買い増しの加速度を上げたい狙いです。この買い増しによって、価格が上昇する波に乗り遅れないように常に最新の情報にアンテナを張っておきましょう。
“1%クラブ”宣言:2027年に21万BTCという野心
同社は2025年末3万BTC、2026年10万BTC、そして2027年に21万BTC(ビットコイン総供給の約1%)という工程表を示しています。これが達成されるかは市場次第ですが、目標の明文化は資本市場との対話において効果的。大胆なマイルストーンを公開し、資金と人材を呼び込む“磁力”として機能させるのがこの種のトレジャリー戦略の肝です。
背景にある潮流:なぜ日本企業がビットコインに振り切るのか
メタプラネットは本来ホテル事業から出発した企業ですが、2024年以降は“ビットコイン・トレジャリー・カンパニー”として戦略転換を進めてきました。英フィナンシャル・タイムズは、同社がマイクロストラテジー(現Strategy)の路線に学びつつ、BTCを担保にM&Aなどキャッシュ創出事業を取り込み、長期的な積み増しを狙う構想を解説しています。
国内外での資金調達環境や米国の政策ムードも追い風となり、株価面でも話題を集めてきました。国内市場の低金利・過剰貯蓄という構造の中で、“BTCを基軸資産に据える企業”が出てきたこと自体がニュースだといえます。
投資家が押さえたい数字の“意味”
まず、BTC Yieldは会計上の利益ではありません。希薄化を含む株式構造に対してどれほどBTCを積み増せたかを見る、企業特有のKPIです。
次に、ランキング報道は“対象の取り方”で順位が動きます。ETFや非公開企業、関連当事者を含むか否か、データの更新時刻の違いで変動しやすいのが実情です。最後に、メタプラネットの収益化はオプション・プレミアムに依存する度合いが高く、相場のボラティリティと資金管理が鍵に。
華やかな数字の裏側にある“定義・前提・反復性”を確認してから評価する姿勢が、Q3以降のニュースを読み解く力になります。
今後の注目ポイント:Q3〜Q4で見るべきチェック項目
年内3万BTCというマイルストーンに向け、同社がどの程度のペースで買い増せるかが最初の焦点です。優先株による調達は市場環境の影響を強く受けますし、発行条件の設計次第で希薄化耐性も変わります。さらに、オプション収益はボラティリティの低下局面で伸び悩むことがあります。
会社側は評価益を業績見通しから外していますが、投資家心理には評価損益が影響しやすいのも事実です。“買えるだけ買う”ではなく、“調達—運用—リスク管理”の循環を回せるかが、来期以降の信認を左右します。
保有枚数と世界順位の“食い違い”はなぜ起きる?
同時点でも、ビットコイントレジャリーズでは7位、複数メディアは6位、Cryptonewsは4位と表現しました。背景には、
①対象の母集団(上場企業のみか、関連会社・SPVを含むか)
②BTC保有のソース(法定開示かSNSか)
③更新タイミングのズレが関係します。
読者としては、一次情報となる決算資料や開示を優先し、ランキングは「参考」として眺めるのが実務的です。順位の数字に過度に寄りかからず、保有量・調達余地・収益化の持続性という“実体”で企業を比べる視点が重要です。
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