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老舗菓子メーカーの「想い」 × TECHFUNDの「技術」。異色の共創が生んだ“SNS疲れ”のない世界への挑戦

2026.01.14 2026.01.13 12:10 企業

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プロフィール
 上間 幸治  氏(株式会社上間菓子店 代表取締役社長)
 林田 敦  氏(株式会社TECHFUND VPoE)

沖縄の銘菓「スッパイマン」で知られる株式会社上間菓子店が、全く新しい挑戦に乗り出しました。同社が開発したのは、情報過多による“SNS疲れ”という社会課題に向き合うSNSアプリ「cion」です。単なる新規事業ではなく、自社のマーケティング変革も視野に入れた取り組みは、どのような経緯で始まったのでしょうか。
今回は、開発の背景や技術投資アクセラレーターである株式会社TECHFUNDとの出会い、さらに「我が子のように」共に育て上げた伴走型開発のプロセスについて、株式会社上間菓子店 代表取締役社長の上間幸治氏と、株式会社TECHFUND VPoEの林田敦氏にお話を伺いました。

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導入前の課題
●  SNSが引き起こす心の問題を解決し、自社の商品開発に活かせる新たなマーケティング手法を模索していた。
●  社内にアプリ開発の知見やノウハウが全くなく、最適な開発パートナーを見つけられずにいた。
●  発注ベースの開発ではなく、事業の成功にコミットしてくれる伴走型のパートナーを必要としていた。

導入の決め手
●  事業構想への深い理解と共感を示してくれた林田氏の人間性と、尖った人材が集まるTECHFUNDへの期待感。
●  単なる受託開発ではなく、事業を成功させるという共通のゴールに向かってくれるアクセラレーターとしての姿勢。
●  信頼できる第三者からの紹介という安心感と、「この人に任せたい」と思える信頼関係を構築できたこと。

導入後の成果
●  「ストレスを感じないSNS」というコンセプトがユーザーに評価され、広告からの登録率は非常に良好な結果を示した。
●  ユーザーインタビューを通じて得た声を迅速に反映し、サービスのコアな価値を損なわずに機能改善を続けられている。
●  開発だけでなくマーケティングまで一気通貫で支援を受けることで、事業を共に育てる「家族」のような関係性を築けた。

決め手は「この人に騙されたなら仕方ない」と思えるほどの信頼感と、尖った人材への期待

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──上間菓子店様の事業内容についてお聞かせください。

上間菓子店(上間):当社は沖縄発の菓子メーカーで、干し梅菓子「スッパイマン」を製造・販売しています。1981年の誕生以来、今では全国のコンビニや量販店でも広く取り扱われ、ブランドの認知度は70%を超えるまでに成長しました。

──全国区の「スッパイマン」という強いブランドがある中で、あえて異業種であるSNSアプリ「cion」の開発に挑戦されたのはなぜでしょうか。

上間菓子店(上間):「cion」は“好きなことでつながるSNS”をコンセプトにしています。きっかけは私自身の体験でした。10年ほど前、親しい友人がSNSを原因に心を病んでしまったことがあり、その出来事を機に「情報過多によるSNS疲れ」という社会課題に強い関心を持つようになったんです。

もっとも、課題解決という想いだけでは事業は続きません。ビジネスとして捉えた時、SNSには人の欲求や本音、つまり「潜在心理」を深く汲み取れる可能性があると感じました。もしユーザーの純粋な“好き”が集まる場を作れれば、そのデータを分析することで新しい商品開発、すなわち「潜在マーケティング」が実現できます。社会課題の解決と、自社のビジネス革新。その両立こそが、この事業の狙いです。

──アプリ開発のノウハウは社内にあったのでしょうか。

上間菓子店(上間):全くありませんでした。そこでまず、沖縄県内で開発会社を探しましたが、SNS開発の実績を持つ企業が少なく、構想を理解してもらうのにも苦労しました。そんな時、日頃からお付き合いのある企業の方に「面白い人がいる」と紹介いただいたのが、TECHFUNDの林田さんでした。

──最終的に開発パートナーとしてTECHFUNDを選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

上間菓子店(上間):最初の打ち合わせで構想をお話しした際、林田さんはすぐに「cion」のことを理解してくれて、そのスピード感に驚かされました。私は革新には「よそ者、馬鹿者、若者」が必要と思っているのですが、彼にはまさにその雰囲気があったんです。言葉のセンスに加え、趣味の面でも人間的にユニークな部分があり、そのバランスに惹かれました。正直、私は人を簡単に信じない方ですが、彼については「もし騙されたとしても仕方ない」と思えるほど魅力的に感じていました。

さらに、TECHFUNDが「尖った人材が集まる会社」だと林田さんから聞き、このチームとなら必ず面白いものが作れると確信しました。そこで他社との比較検討をやめ、TECHFUNDと共に走ることを決めたのです。

発注者と受注者ではなく、共に育てる「家族」。伴走型開発でサービスは歩み始めた

──開発が始まってから、最初のリリースはどのように進められたのでしょうか。

TECHFUND(林田):2023年3月に「cion」の第一弾を公開しました。特徴として、最初に「好きなこと」のカテゴリーを選ぶと、そのカテゴリー内の人とだけ交流できる仕組みを実装しました。投稿やコメント、ダイレクトメッセージといったSNSの基本機能に加え、クリエイターを支援できる「投げ銭」機能も試験的に導入しています。最低限の機能に「cionらしさ」を盛り込み、まずはシンプルな形でスタートしました。

──カテゴリー設計はどのように行われたのですか。

上間菓子店(上間):当初は検索サイトの分類を参考に、こちらである程度のカテゴリーを用意していました。しかし、プレリリース後のユーザーインタビューでは「もっとニッチで自分の好みに合ったカテゴリーが欲しい」という声が多く寄せられました。例えば「アニメ」では広すぎて、「特定の作品のこのキャラクターが好き」といった深いレベルでつながりたいというニーズです。

「cion」は“狭い入り口”で人とつながることを大事にしていますが、中に入ってからは自由度が高い方が面白い。そこでユーザー自身がカテゴリーを作れるように仕様を変更しました。その結果、より熱量の高いコミュニティが生まれる基盤ができたと感じています。

──ユーザーの声をスピーディーに反映されているのですね。実際にTECHFUNDと開発を進めてみて、いかがでしたか?

上間菓子店(上間):レスポンスが速いのはもちろんですが、「伴走してくれている」という感覚が強いですね。以前お付き合いした開発会社は「何を作ればいいですか?」という受け身の姿勢でしたが、TECHFUNDは「サービスを成功させるためにどうするか」という視点で共に考えてくれます。

必要に応じて専門人材をすぐにアサインしてくれますし、「この進め方ならコストを抑えられます」といった提案もある。単なる発注・受注の関係ではなく、一緒に作り上げている感覚です。私にとって「cion」は我が子のような存在ですが、TECHFUNDはその子を共に育ててくれる家族のような存在だと感じています。

──現在はアップデートも進んでいると思いますが、特徴的な機能はありますか?

TECHFUND(林田):健全なサービス運営を支える仕組みとしてAIを導入しました。LLM(大規模言語モデル)が注目され始めた時期から取り組んでおり、ネガティブな内容を含む投稿を検知するとセンチメント分析を行い、「この投稿で大丈夫ですか?」とアラートを出す仕組みです。

上間菓子店(上間):ただ、私たちはすべてのストレスを排除したいわけではありません。人間は適度なストレスや困難を経ることで、目標を達成した時に大きな感動を得られるものです。そのため、アラートは出しますが最終的に投稿するかどうかはユーザーに委ねています。心地よさだけでなく、人間らしいバランス感覚をサービスの中で実現していきたいと考えています。

目指すは沖縄発のプラットフォーム。社会を変える挑戦は、まだ始まったばかり

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──開発準備段階から現在まで、TECHFUNDは上間さんにとってどのような存在ですか?

上間菓子店(上間):単なる取引先ではないことは間違いありません。パートナーであり、同じチームであり、一緒に子どもを育てている「家族」に近い感覚が一番しっくりきます。

TECHFUND(林田):そう感じていただけるのは、私たちがシステム開発会社ではなく「アクセラレーター」という立場を大切にしているからだと思います。使命は依頼されたものを作ることではなく、その先のビジネスを成功に導き、お客様のビジョンを実現することです。そのため、必要に応じてシステム以外の領域、例えばマーケティングにも踏み込み、事業全体に深くコミットします。

──前例の少ないアプリ開発において、伴走するパートナーの存在は心強かったのではないでしょうか。

上間菓子店(上間):本当に心強かったですね。先ほどもお伝えしましたが、TECHFUNDは「cion」をよくするための提案を積極的にしてくれます。新規事業が陥りやすい“死の谷”に落ちずに済んでいるのは、間違いなく彼らのおかげです。

──では最後に、TECHFUNDはどのような課題を持つ企業におすすめしたいですか?

上間菓子店(上間):業種や業界を問わず、「今ある事業をさらに進化させたい」「新しい挑戦を仕掛けたい」と考えている企業に合うと思います。革新的な取り組みを検討する際に、相談相手としてTECHFUNDを加えることで、想像以上に面白い化学反応が生まれるはずです。

 

上間 幸治 氏(株式会社上間菓子店 代表取締役社長)
沖縄を代表する菓子「スッパイマン」を製造・販売する株式会社上間菓子店の代表取締役社長。1981年の発売以来、主力商品である「スッパイマン」を全国ブランドへと成長させる。既存事業の傍ら、自身の原体験からSNSが抱える社会課題に着目し、新規事業として「好きなことでつながるSNS cion」を立ち上げた。

林田 敦 氏(株式会社TECHFUND VPoE)
技術投資アクセラレーターTECHFUNDのVPoE(Vice President of Engineering)。数々の新規事業開発やスタートアップ支援に携わる。上間菓子店の「cion」プロジェクトには構想段階から参画し、ビジネスモデルの壁打ちから開発、マーケティング支援まで、事業の成長に深くコミットしている。

上間菓子店様新規事業「cion」LP:https://cion.social/about

TECHFUND HP:https://techfund.jp/

お問い合わせ:https://techfund.jp/contact

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BusinessJournal編集部

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